ま 苦しみのブログ

あんまり表には出さないよ!!

断じて認めない

ぼく「…はぁー。」

この時期になると、つい夜中に散歩に出てしまう。心地いい気温と風を浴びながら、公園のベンチでタバコを吸っている。

花粉症を患ったりしていると、特にこの時期は大変でこんなことをしている余裕も無いだろう。僕は幸運だ。花粉症ではないのだから。

 

ぼく「…?」

足音が聞こえる。明らかにこちらに近づいてきている。不審者か、まずい、こんなリスクもある事は承知だったが、よりにもよって今日とは。

 

「すいませーん…スッ…警察の…者です…ゲホッ」

ああ、よかった。少なくとも危険な目に合う可能性は無くなった。

ぼく「えぇ、どうしました?」

警察「ここらで最近…ズズッここらで…あぁ…ハァ…」

ぼく「花粉症ですか?」

警察「いや…花粉症じゃああ…ヴェクション!」

花粉症の患者は、いつも頑なに自分が花粉症と認めないのだ。

警察「あぁ、とりあえず…そう、最近このへんで殺人事件がありまして…あぁ!はぁ、ちょっと職務質問を…ズッ」

ぼく「え〜っ、あっ、はい、構いませんよ。」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

警察「…あ…あい、一応、確認取れましたので、スッ一旦本部に連絡した後アレ…簡単な聴取を、よろしくお願いしまずッ」

ぼく「大丈夫ですか?かなり苦しそうですが」

警察「いや、花粉症じゃないんでぇ…」

まだ何も言っていないんだが…

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

警察「はい、えーそれでは、えー…スッなんか最近、変な噂とか…なんか見たり、とかしませんでした?目撃証言によると…犯人は全身ん゛、黒い服で…しきりにくしゃみをしていた…とか。」

ぼく「いやぁ〜知りませんね。周りに花粉症の人もいないですし。」

警察「かっ花粉症とは限らない…じゃないすか、憶測はよくないでっすよ。」

ぼく「はぁ、すいません。」

警察「いえ…ずいません、それじゃあ最後にバックの中身だけ…ズズッ」

ぼく「…あっ、そうです、か…」

警察「チャック開けますね……え」

血まみれの凶器が中に入っている。

警察「お兄さん…これ…」

ぼく「…」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

あの警察は山に埋めた。

自分でも薄々分かっているのだ。

花粉症の患者は、いつも頑なに自分が花粉症だと認めない。

ぼく「はあ…あ゛ぁ゛…ヴァクション‼︎」