ま 苦しみのブログ

あんまり表には出さないよ!!

雪男の話

それは、雪の降りしきる冬の出来事だった。

 

私は、噺家、と言うにはまた違うというか、ストーリーテラーというか、なんと言えばいいのか具体的な名称は無いように思うが、様々な催し物に呼ばれ、そこで俗に言う“怖い話”をする仕事をしている。

怖い話と言っても古典的なお化けや心霊現象といったものだけでなく、UFOなどといった近代的なオカルトも扱う。

自分で言うのもなんだがこの界隈では第一人者とも言っていいくらいには名前もチケットもそこそこに売れている。

この娯楽多様化の時代、わざわざ会場に来て、ただ誰かが話しているのを聞く、なんていう一見無駄とも思える時間を過ごしてくれる客には頭が上がらないものだ。

 

今まで本当に色々なテーマの怖い話をしてきたが、中でもこれはお気に入り、力作だなぁ、と思うものは自分の中でいくつかある。

そういう複雑で凝った話は大きい会場で話すとカジュアル層のお客が退屈してしまうというので、こういう話が好きな変人が集まる人の少ないイベントやらの時に話したい、と思っていたのだが、前にテレビに出て売れてしまってからはめっきり話せる機会も減ってしまった。

あの気に入っていた雪男の話、もう少し大衆受けするように書き直そうかな、などと思っていたところ、もうかれこれ10年の付き合いになる同業の後輩から電話がかかってきた。

『折り入ってお願いしたいことがあるのですが…』

 

やけに緊張したトーンでの電話だったので、折角だから飯でも、と行きつけの中華屋に集まった。

「ラーメン半チャで」

「中華丼をお願いします」

…やはり様子がおかしい。いつもならあんかけ焼きそばを頼むところのはずだ。

「どうした?そんな浮かない顔で。」

「はい…あの、急なお願いで本当に申し訳ないのですが、僕が出る予定だった公演、代役で出て頂けませんか?」

前から変なやつだとは思っていたが、こんなに下手に出られたのは初めてだ。余程大事な用事なのだろうか。

「いや、まぁ…中身によるけど。」

「まぁ、そうですよね…」

苦笑いしつつ、後輩は公演の内容について話し始めた。

なんでも札幌付近での公演らしく、出張代を半分負担してもらえる上に中々ギャラが良い、という事もあって、半分旅行気分で引き受けた。

そのあとは、部下が奢ってくれると言うから飲むつもりのなかった酒まで頼んでしまい、ほのかに酔いを感じながら雑談していた。

 

「いやぁ本当にありがとうございます!」

「まあ、付き合いも長いしな。そういえば、そんなに焦る用事ってなんなんだ?」

「実は、母の容態が…」

「そうか…大変そうだな。」

「先輩の親御さんは大丈夫なんですか?確か…新潟でしたよね。豪雪地帯だし…」

「いや、実家があるとこは新潟の中でも特に雪が少ない地域なんだ。そのへんは大丈夫じゃないかな。」

「そうでしたか…いやぁ、本当に良かった。」

「え?」

「引き受けてくださって、本当に、良かったです…。」

「お、おぉ。」

 

北海道と言えばグルメ、観光名所も多い。

ワクワクしながら当日を迎え、改めてよく読み直してみると、なんと会場が札幌ではなく、そこからかなり東に行った小さな町の公民館だった。

地図上ではわずかな距離に見えたのだが、北海道恐るべしと言うべきか。

こんな話の需要がある場所なんて札幌くらいしか無いとたかを括っていたが、期待が裏目に出てしまった。

渋々深夜バスに乗り込み、せっかく札幌に着いたというのに様々なグルメを横目にそこから電車に揺られた。

バスでよく眠れなかったから、かなり疲労も溜まっている。あのワクワクを返してくれ、と不満を垂らしそうになるが、我慢する。

それにしてもアイツ、なんでこんな所にわざわざ喋りに来るんだよ…と、ローカル線の座席に座って考え込んでいると、ちょうどいい温度の暖房も相まって、ウトウト、してきた…

 

はっ、よくないよくない、と目を開ける、と、列車はトンネルの中を走っていた。

と思った次の瞬間、一面に広がる雪景色が目に飛び込んでくる。

恥ずかしながらテンションの上がる、眠気を覚ますのには充分な刺激だった。

目的の町までは眠らずに済みそうだ。

 

駅から町へは徒歩で十分もかからなかった。

小さな町、とは言うものの、やはり東京と違い一つ一つの土地の使い方が豪快で、大して誰も停めないであろう公民館の駐車場すらざっと見た所20台分はスペースがある。

舞台は明日だ。今日はゆっくり休もうと、後輩に勧められ予約しておいた民宿へと向かう。

「いらっしゃい。」

店頭で出迎えてくれたのは、もう70歳になるかというおじいさんだった。

かなり老けているが、背筋が伸びていて、喋り口調もハキハキとしている。

早速部屋に案内されると、想像以上の光景が広がっていた。

民宿、とは言いつつも、まるで温泉旅館のような高級感と居心地の良さがある、畳が敷き詰められた和室。窓際のイスが2つ並んでいる謎のスペースも完備されている。

「ご飯はお食べになられました?ご用意も出来ますが。」

ハッとして時計を見てみると、いつの間にかすっかり夜だ。

電車に相当長い時間乗っていたのか、と今になって思い返す。

「いえ、食べてきたので、今日はもう休みます。」

「そうですか、ごゆっくり。」

「ええ、お気遣いありがとうございます。」

ひどく溜まった疲れを取るべく、着いて早々布団を敷き電気を消した。

寝心地も良い。いい宿を見つけたものだ。

 

翌日、支度を済ませ、ご主人お手製だという朝ごはんを頂いた。

あまり味の詳細な説明はしにくい、この地域特有の郷土料理だろうか。複雑だが、とても美味しかった事は確かだ。

そろそろ予定の時間も近づいていたため、宿主に挨拶をしてから公民館へと向かった。

 

話は変わるが、今回の舞台では絶対にこれを話そうと心に決めている物語がある。

雪男、海外ではイエティとも呼ばれている。

真っ白のゴリラのようなUMAを題材とした話で、今まで作ってきた台本の中でも特別お気に入りなのだ。

こんな雪が積もった場所で話せば、さぞ臨場感も出るだろう。

 

「今回はいつも来てくださる彼が緊急で来れなくなってしまったということで、代理としてなんとこの有名な方が来てくださいました!」

こんな古ぼけたステージで、仰々しいMCだなぁ、などと思いながら、ゆっくりとステージへ上がり、口を開く。

「本日はわざわざお招き頂きありがとうございます、精一杯面白い話を作ってきましたので、よろしければ聞いていってください。」

いつも言っている常套句だ。このクッションがあると、自然に本題へ持っていける。

「さて、本日お話しさせて頂きますは、雪男、イエティとも言いますね。アルプスでしたか、ヒマラヤでしたか、雪山に出没するとされる白くて巨大な未確認生物、俗に言うUMAというやつです。この雪男、実は特定の山に出没、という噂こそありますが、実際のところはどの山にもヌシとなる個体が生息しておりまして、それはもう凶暴なのです、人語を解するほどの高い知能も…」

ん…?

何かがおかしい。

観客の様子が、変だ。

順調な滑り出しだと、少なくとも自分は思った。のだが、なんだか客席がザワザワし出している。

噺家さん、文句つけるって訳じゃねえけどよ…」

「え…?どうされました?」

「だって、雪男が未確認生物って…そんなホラ話、いくらフィクションでも面白くもなんともないよ。」

…は?

「アンタも見なかったかい?駅からここに来る途中、嫌でも一回は見るはずなんだが…」

「い、いえ…生憎疲れていたもので…」

???

明らかに何かがおかしいことは理解しつつも、とりあえずウケが悪い雪男の話は早々に切り上げ、別に用意していた定番のUFOの話でごまかしつつなんとか乗り切った。

よく考えると、講演なんて放り投げて文句をつけてきたおっさんに話を聞けばよかったかもしれない。

なんだか変な不安に駆られ、挨拶を済ませると早々に民宿へ向かった。

 

「おや、用事はもうお済みで。」

なんだか主人の姿を見ると安心するようで、焦るようだった呼吸が落ち着きを取り戻してきた。

「あの、少しお話をよろしいですか?」

「ええ、構いませんが。」

「その…ここに住み始めてから、どれくらい経ちます?」

「生まれてこの方、地元一筋ですよ。」

「そうですか…いえ、その、公民館で妙な噂を聞きまして。なんでもこのあたりでは雪男が当たり前に出没する、とか。」

「ああ、そう、あなたは違うんですね。…申し訳ない事をした。」

主人がおもむろに立ち上がり、服を脱ぎ始めた…!

「え…え…あああ!」

防寒着を全身に纏っていて全く見えなかった主人の全身が、真っ白い毛に覆われている。

「この町の男は、半分くらいがこんな感じですよ。」

「そ…そんな事が…」

「まあ、巷で言われているような変な習性とかはないですから、安心してください。ただ少し力が強かったり、寿命が長かったりするだけですからね。」

「え、ええ、はい…」

信じ難いことだが、この主人が言うと信じざるを得ないというか、凄みがあるというか…

先程の発言から考えるに、雪男は人間と同等以上の知能を持ちながら、人より長く生きるという。

雪男が実在しているという事実もそうだが、自分なんかより確実に長く生きている主人を目の前に、人生経験の差とはこうも出るものか、と衝撃を感じる。

「そういえば、いつも泊まりに来てくれるんですよ。君の知り合いだっていう彼。」

突然何を言い出すかと思えば…この民宿を勧めた後輩…?何か…

「その様子だと、やはり言っていないようで。彼も雪男なんですよ。」

「は…はぁ??」

「ははは、こんな話、中々する機会もないもので、つい脅かしてしまいました。ですが、彼も雪男なのは本当です。」

「まさか…あいつが…」

「一つ、確かめておきたいんですが。」

「…え?」

「彼、何かおかしなところはありませんでしたか?長いお付き合いのようですから、いつもと違うところとか。」

思い返せば、あの日のあいつは何かおかしかった。心ここに在らずという感じだ。

「あ、あったら、なんだと言うんです?」

「まあ、恐らくそんな事は無いだろうと思うのですがね。一応伝えておきましょう。彼はこの町のヌシなのです。代々伝わる雪男の家系の長男でして。」

「ええ!?あいつが!?」

「はい。それで、ヌシというのは厄介な縛りがありまして。彼はある程度成長すると、故郷を出て人間を探さなければならないのです。生贄の為に。」

「な…あ…ちょ、ちょっと待って!」

「あぁ、安心なさってください。あなたは生贄の対象ではありませんし、その様子だと仲も非常に良かったようだ。そんな事は無いと思いたいのですがね。」

「そ、そんな、事。」

「生贄の対象は、故郷の外で知り合い、親しくなった人の血縁者なのです。一人暮らしですか?ご結婚は?」

「い、いえ、まだですが…」

「では、ご家族の居場所を彼が知っていたりとか。」

「ないはずです…都道府県くらいは知っているかもしれませんが、詳しい場所までは。」

「それはよかった。恐らく、ただあなたに代役を務めてもらいたかっただけなのでしょう。たまに帰ってきて、出し物をしてくれるんです。ご覧の通り、娯楽の少ない所ですから。」

「あるんですか?そんな事、本当に…」

「たまに、ありますね。ここに来られるのはまあ珍しいですが、アクセスが悪くすぐに帰ってこれない場所に留まっていてもらう間に、ヌシが血縁者を捕獲する、なんてことも。」

「そ、そうですか…そんな恐ろしいことが。」

「あなたが狙われていないのであれば良かった。安心なさってください。」

「ええ…どっと疲れました…」

「日も落ちてきましたし、そろそろ夕食でもどうです?」

「良いですね。是非。」

「公民館より少し先に行けば、飲食店が並んだ通りがあります。あそこなら、大丈夫のはず。」

「え?今日はここのご飯は無いんですか?美味しかったので、また食べたいと思っていたのですが。」

「…すみませんが、それはできません。」

「材料を切らしているとか?」

「まあ、そんなところです。」

 

すすめられた通りにある中華屋で、あれこれと考えてみる。

そういえば、あの郷土料理にはどんな材料が使われていたのだろうか。切らしていると言っていたが、簡単には手に入らないものだったり…?

結局通りを探してみたが、郷土料理のような表記はどこにも無かった。

「お待たせしました、ラーメンと、半チャーハンです。」

どこへ行ってもこればかりだ。まあ、この町は海から遠いようだし魚介類には期待できない。

ハズレを引くくらいなら、いつもと同じものを食べよう。

「こちらは人間用となっておりますので、安心してお召し上がり頂けます。」

…?

「ちょ、ちょっと待ってください。」

「はい?」

「人間用、というのは?」

「ああ、外から来られた方ですか。この町では、人間用と雪男用の料理があるんですよ。」

「な、なるほど…違いはどんなものなんですか?」

「人間用は知っての通りのお食事なんですが、雪男用は…ジビエ料理が基本となります。」

「へぇー、そういうのもあるんですね。どんなお肉を?」

「あ…いえ、その…気を悪くされたら申し訳ありませんが、この町の雪男は…人肉を食べるのです。」

「な…」

その瞬間、主人の言葉が頭をよぎる。妙に濁された今晩の食事、材料不明の郷土料理…

冷や汗が出てきた。つまり、私は…

水を飲もうとテーブルに目をやると、視界にラーメンと半チャーハンが映る。

芋づる式に記憶が掘り起こされていく。

この町の仕事を引き受けた時も、確かラーメンチャーハンを食べていた。

 

『先輩の親御さんは大丈夫なんですか?確か…新潟でしたよね。豪雪地帯だし…』

『いや、実家があるとこは新潟の中でも特に雪が少ない地域なんだ。そのへんは大丈夫じゃないかな。』

 

雪が少ない地域。

新潟で雪が少ない地域は、限られる。

加えて、私の苗字はあいつに知られている───

アペックス内蔵限界深夜ラジオ#2.5

番外編

全編実話 長文じゃないと説明が難しい体験をラジオ文字起こし

 

 

ハモリ『アペックス内蔵の限界深夜ラジオ!!』

 

T「さあ本日も始まりましたアペックス内蔵の限界深夜ラジオ、本日はメインパーソナリティであるワタクシTニキと」

棒「水曜パーソナリティの棒がお送りします、今日も午前3時までどうかお付き合いいただければと思います。」

 

T「ちょうど一昨日にですね、ちょっと用事がありまして、秋葉原の方に。」

棒「おー…」

T「なんか、やっぱりいいなと。秋葉原って。独特の空気と言うんですか。」

棒「最近しばらく行ってないなぁ」

T「まあそれで、色々用事とか買い物を済ませて、時刻がちょうど2時くらい。」

棒「ほう。」

T「朝も適当にちょろっと食べただけだったんで、もうお腹ぺこぺこなんですよ。で秋葉原ですから。」

棒「ガツンとした店多いね。」

T「そう、それで〜まああの辺で大多数を占めるのはまあB級…と言ったらアレですけど。そういう気分じゃなかったんですよね。それで逆に、そこまで高いお店もちょっと。ちょうどいい塩梅の店が欲しくて。」

棒「あーそう、秋葉原でそうなるとねぇ、お店見つけるのもなかなか苦労しそうですけれども。」

T「だからしばらく街を歩いたんですけど、なかなかピンと来なくて、それでまあ、い一旦駅に戻ったんですけど、そういえばデパートあるじゃんと思って。」

棒「デパート?」

T「そのー…わかりますかね、デパートって屋上のちょっと下くらいにあの~、レストラン街あるじゃないですか。若干薄暗かったり暖色だったりする。」

棒「…あ~、あの、あれね。わかりますよ。」

T「ああいうところってやっぱ、その辺の店よりちょっと小綺麗というか。やっぱりデパートの中というところもあって、それなりのお店が多いんですけど、高すぎもしないんですよ。絶妙な塩梅で。」

棒「言われてみれば。」

T「それでデパート入って、ぐるぐる見回ってたんですけど、ま~どれも魅力的で。鍋とか、中華とか。海鮮とか。いろいろあって。」

棒「あのスペースで食べれないもの…まあ規模にもよりますけど、あんま無いですよね。どれも美味しいし。」

T「そう、それで迷いに迷ったんだけど、結局、なんかお肉食べたいなと思って。ステーキのお店に入ったんですよ。ここからがまあメインというか、このトークの根幹の話なんですけど。」

棒「はいはい。」

T「まずお店入るじゃないですか。そしたら金髪で、長い髪を後ろにまとめたマスクつけた方が案内してくれて。ぱっと見女性かな?と思ったら、おひとり様ですか?って思いっきり男の声で聞かれて。」

棒「雲行き怪しいですか?もう。」

T「いやいやいや、ここはまだですよw まあマスクもしてましたし、ちょっと意外だったっていうのはありますけど、まず男でその見た目って相当チャラい可能性あるなと思って、ほんとに一瞬ですけど、考える時間はありましたよね。」

棒「やっぱりw」

T「まあこれから話していくとそんなことないってわかってもらえると思うんですけど。それでまず、テーブルかカウンターどっちにしますか?と。もちろん1人だからカウンターにしましてですね、座るとまず紙エプロンが出てきて、よろしければご着用くださいと。」

棒「まあまあまだ普通ですね。」

T「いやw何か勘違いされません?wなにかこうアクシデントがあるみたいな。先に言っておきますけど、今回のこのフリートークでアクシデントは一切起こりませんよ!」

棒「じゃあラジオで喋ってんじゃないよw」

T「いやいや、なんかこう自分の中で、考えさせられたというか。まあ本当にしょうもない話なんですけど。それで、まずこのお店を利用したことはありますか?って聞かれたんですよ。まあ秋葉原で初めて入るデパートなんで、当然なくて。ないです、って言ったら、すんごい丁寧なメニューの説明が始まったのよ。」

棒「へぇ~、まあ嬉しいじゃないですか。」

T「あそう、言い忘れてたんだけど、これからいろいろ店員さんとコミュニケーションをとるんだけど、その相手は全部さっき言った金で長髪の店員さんね。そこを認識しておくとなんか…より一層、この絶妙な空気が伝わると思いますから。」

棒「なるほど。」

T「まあひとしきりメニューの説明をしてくれて、僕は、食べるものをお店の前の食品サンプルで決めてきてたんですけど。」

棒「あ~、デパートレストラン街って食品サンプルのワクワク感あるよね。」

T「それで、そのお店カンガルーの肉とかもあって。すごいな~と思いながら。それで最後に、ギリギリランチタイムだったから、このAセットが無料で付きますってなって、ライスとスープがついてきますと。」

棒「嬉しいですね。」

T「そしたらそのあとLINEでクーポンがもらえますよっていう説明を受けて、僕あんまりLINEにいろいろ追加したくない、んですよ。だから断ろうと思って。」

棒「どんどん増えていっちゃうからね。」

T「だから僕いや、今はいいですって言ったんだけど、なんか店員さん気まずそうで。」

棒「え?」

T「いやその、僕の早とちりで、登録を強制せず『よかったらお試しください』みたいなスタンスで来られると思わなくて、べつにやれって言われてないのに自分から嫌だ!って言い張る偉そうなやつみたいになっちゃってw」

棒「www」

T「まあでもそれでやっと説明が終わって、でもせっかくあんなに説明してもらったのに意味なかったと言わんばかりに即注文するのもなんか気が引けて、ちょっともう一回考えたのよ。まあ結局変わらなかったんだけど。」

棒「ww」

T「それで注文しようと身を乗り出しかけた瞬間、お決まりですか?って、向こうも店員を呼ぶ前の動きみたいなのがわかってるんだろうね。すんごいスピードで来てくれて。一番スタンダードな、赤身肉を200g頼んで。そしたら当店のお肉はレアで食べれますのでお好みの加減でお召し上がりくださいと。」

棒「たまにまだ真っ赤なのに食べ始める人いるよね~」

T「まあそれは好みですから。それでやっと待つ時間が来て、店内を見回すんですけど、本当に店員さんも店内もとにかく気が利いてるんですよ。」

棒「もうお店がそういうお店なんだね。」

T「まず、あの…そのお店は普通に鉄板で出てくるんですよ。あの、熱い小っちゃいリトル鉄板みたいなのがが別添えで出てきて、それを言ってくれれば温められますっていうのはよくあると思うんですけど、そのお店、多分なんだけど、鉄板ごと冷めたら一回鉄板ごと回収してその鉄板自体をあっためてくれるっぽくて。僕試さなかったんで実際は分かんないですけどね。」

棒「至れり尽くせりじゃないですか。」

T「それでテーブルをよくよく見てみると、まずドレッシングが2種類、ステーキソースが2種類。塩コショウもあって、ワサビなんて変わり種もあって、溢れかえってるんですよ卓上調味料で。」

棒「やる気すご。」

T「それで最後に、ポップが貼ってあったんですけど、口コミ評価4.8目指してます!!って書いてあるんですよね。」

棒「www あんま言わないよね自分からはw」

T「それもそうだし、4.8ですよ。あの…いくらなんでもですよ?高すぎやしませんか?口コミってあれ多分…僕あんま見ないんでアレですけど、3.5で良いお店、4いけばもう口コミ界では超一流みたいなイメージなんですけど。自分から4.8を言い出すって相当…ねw」

棒「まあでも、今までの話を聞いてる限りはそんな評価になってもおかしくない可能性を秘めてはいますよね。その自信を裏付ける接客というか、お店というか。」

T「そうなんですよ!さすがに僕も気になって、なんかお店に失礼な気がして極力見ないようにしてるんですけど、店名入れて調べようとしたところに、続きはCMのあと!みたいな感じでお肉が来ちゃってw」

棒「wwww」

T「しょうがないから食べ始めようとするんですけど、そこでもまたいろいろとね。」

棒「まあここまできたらそうでしょうね。」

T「まず、店員さん変わらないんですよ?あの金髪の方のままなんですけど、またレアでも食べれますという説明2回目受けまして。」

棒「丁寧も丁寧。」

T「それで、その次にこのお肉ですとこちらのオニオンソースが合いますよと。」

棒「全部覚えてるのかな店員さん…凄いね。」

T「まだありますよ!」

棒「まだ?w」

T「こちらのお野菜は生でお出ししておりますので適度に鉄板で炒めてお召し上がりください、と。」

棒「ww」

T「まあそれで、お肉自体は普通というか、もちろん美味しかったんですけど、直球勝負というか。あんまりここに関しては話すことはないというか。」

棒「まあ、ここで料理が変わり種だともはやデパートにあっていい店ではないよねw」

T「そう、で、普通に食べてたんですよ、そしたらカウンターの真隣の席に外国の方が座ってきて。」

棒「おっと。」

T「まあまあ変わらず食べてたら、あの金髪の店員さんが来て、最初は僕に話しかけたような応対なんですけど、次第にその外国人があんまり日本語話せない…ことに気が付き始めてw」

棒「見せ所ですね~」

T「そしたら本当びっくりしたんだけど、急に店員さんが裏に行って。英語話せる人呼んでくるのかな?とか、ポケトークでもあるのかな?と思ってたんですよ。」

棒「まあまあ、よくありそうではありますね。」

T「店員さんが戻ってきた途端イングリッシュメニュー!って言って、英語版のメニューを出してきたんだよねw」

棒「ww」

T「それで一生懸命僕にもやったような説明をしようとするんだけど、やっぱりメニューだけだと伝わらないことも多くて。」

棒「いやあでも、そんな積極的に説明しようとしにいくの凄すぎるなあ。」

T「そうなんだよね。横でスゲーって思いながら見てたんだけど、外国人の方もニホンゴスコシOKって言って、二人で英語と日本語を織り交ぜながら会話するんだよねw」

棒「フィクションとかではよく見る場面だけど、実際に近くで見ることってあんま無いねwお互い相当コミュ強じゃないとできないよねその感じww」

T「で、まあその方が、あらかたメニューを見て、とりあえず決めたっぽいんですよ。何頼んでたっけな…とりあえず、これにしますと。店員さんに伝えるんですけど、メニューにはそのー、お店の細かい仕様とかそういうのが書いてなくて、セット無料なんですけど、ノーライス!って言うんですよね。」

棒「ほぉーなるほど?」

T「まあでも外国の方ですから、もしかしたら白米が苦手な可能性もなくはないか…?って感じで、店員さんもとりあえず、OKと。裏に行って。」

棒「まあ注文が済んだらね。それを出すだけですから。」

T「で、僕がトイレに行ったんですよ。このやり取りを密かに面白がってたんですけど、まあひと段落したかなと思って。トイレ行って、帰ってきたらですね、でっかいジョッキに入った…ビールが、置いてあって。その外国の方のテーブルに。」

棒「え?さっき頼んでましたっけ。なんか…」

T「まあ僕が聴き逃しちゃった可能性もありますけど、ビールがあって。だからライスなしなのも納得というか、ステーキでお酒を飲みたかったんだよと。ご飯あってもしょうがないし。」

棒「あー、そういうことか。お酒飲んだらすくぐお腹いっぱいになりますからね。ましてやビールなんて。」

T「まあビール、を飲んでて、僕がもう食べ終わるかな〜って時にお隣の肉も来たんだけど、何故か、何故なのかわからないんだけど、ライスが来てんのよw」

棒「www」

T「ノーライスって言ってたよね?って。」

棒「悔やまれるね、トイレが。」

T「まあそれで、色々あったけどとりあえず自分は食べ終わったから、お会計して。デパートのお店にしてはやっすいのよ。ステーキ200gでちょうど1000円くらいで。」

棒「へぇ〜、良い店ね。」

T「それで、退店したんだけど、これが1番このトークで重要というか、言いたいことで。」

棒「ほう?」

T「なんか…こう、まあ話した通り、すごい良いお店だったんだけどさ、なんかあまりにも丁寧すぎて。これもう本当におこがましい話だとは思うんだけど。」

棒「はいはい。」

T「丁寧すぎてさ、なんか申し訳なくなっちゃう…というか、なんかこっちも気を遣っちゃってさ。勿論すごい雑な接客よりは良いと思うし、私がこういうのに慣れてないっていうのもあるんでしょうけどね?」

棒「そういうのあるかもね。色々。」

T「で、更にこの感覚を加速させた事があって。まあこれ後日の話なんだけど、コンビニでお夜食を買ったのよ。」

棒「ほう。」

T「それで、色々パンとか持ってレジ行ったらさ、すんごいスピードでバーコード読み取ってお釣り渡してきてw 動きに一切無駄がないのよw」

棒「たまにいるはいますけど、すごい早い人。」

T「この時なんか、不思議なんだけどさ、あのすんごい丁寧な接客、その、ステーキの接客を思い出して、その時。なんかこっちの…コンビニの、雑な訳じゃないしね?すごい丁寧で、でも早い、って感じなんだけど。」

棒「勿論、わかりますよ。」

T「このコンビニの接客を受けた時、なんかすごい良い気分になっちゃって。なんか、あんだけ丁寧だったのに感じ方ってここまで違うんだ!って思ったのよ。」

棒「人によって感じ方は様々でしょうけどね?その上で、やっぱりあんまり気を遣いすぎると、という、そういう複雑な。」

T「そう、まあ語弊がある言い方かもしれないけど、あんま丁寧すぎるのも考えものなのかな〜って思って。それでさ、そのコンビニ出て一個思い出した事があって。」

棒「え、なんかありました?」

T「ステーキ屋の口コミ見てねえな、と思って。すげー事書いてあったからさ。4.8目指してします!って。」

棒「あー!ありましたね!」

T「気になって調べたのよ。」

棒「ほう!」

T「そしたら…4.8だったw」

棒「wwwww」

アペックス内蔵限界深夜ラジオ #2

ハモリ『アペックス内蔵の限界深夜ラジオ!!』

 

T「さあ本日も始まりましたアペックス内蔵の限界深夜ラジオ、本日はメインパーソナリティであるワタクシTニキと」

偽「火曜パーソナリティの偽がお送りします、今日も午前3時までどうかお付き合いいただければと思います。」

 

T「いやーちょっと、びっくりした事があって、すいません私から。」

偽「いえいえそんなもう。」

T「ワタクシですね、そのー裏で、今週の放送はどんな感じにしましょうか、みたいな企画会議的なものを放送前やるんですけどね?」

偽「はいはい、私はいたりいなかったりですがありますね。」

T「それでー…あのー、今週の放送予定の番組表を見たんですよ。」

偽「ほう。」

T「そしたらね、その水曜の出演者の欄が棒って、なってて…w」

偽「はぁー、なるほど。」

T「スタッフ仕事早いなーって思うのと同時になんですけど、これ…恐らく1884承諾したよね?w 棒に対してw」

偽「そうね、本人が承諾しないとこういうのは。勝手にって訳にもいかないでしょうから。」

T「まあそうですよね、とりあえず明日、詳しく聞きましょう、ということで。」

偽「はい。お聴き逃しのないようにお願いします。」

T「さて、今日のメールテーマは先週に引き続き偽に物申して欲しいこと、です。メールドシドシお待ちしています。」

 

(CM)

 

偽「あの〜、先日空き時間に喫茶店入ったんですよ。ちょっと小腹も空いたなとも思いまして。」

T「ほう。」

偽「それで…ちょっと今からあの、信じがたい話というか、ほら話だろ!とつっこまれるような話をするんですけどこれリアルなんですよ。」

T「えぇ…wすんごいフリw」

偽「その〜…その喫茶店結構広くて。その上みんなよりリラックスできるように普通のレストランとかよりも椅子と椅子を区切る壁みたいなのあるじゃないですか。」

T「はいはいありますね。」

偽「その壁がかなり高くて。他の席から頭が見えないんですよね。だからどんな人が座ってるかみたいなのは全然分からないと。」

T「へぇ〜。中々居心地良さそう。」

偽「そう。良いな〜と思って。で、僕は一般的なケーキセット。コーヒーとケーキがセットになってる…まあ小腹が空いてるという事で。」

T「定番ですね。」

偽「そうしたらですね、どの席かはその時は分からないんですけど、左前方あたりから聞こえてきたんですよ。僕と同じケーキセットを注文する声が。ちょっとここが今日のポイントなんですけど。」

T「え〜?何もおかしい所はないですけど。」

偽「そう、勿論僕もその時は別にそんな気にすることなくて。でもやっぱ思うじゃないですか。同じ注文だな〜って。もしその人がこの店の常連だったりしたら頼まれたこのケーキセットはきっと美味しいんだろうなぁみたいな。」

T「あ〜まあそうね。そういう事は思うかもね。」

偽「それでやっぱり、ちょっと意識するというか。その、そんなにがっつり耳をすますみたいな感じじゃないんですけど、意識の片隅でその人と通じ合ったみたいな気持ちになって。」

T「そういうのありますね。私も前に並んでる客がサムライマック頼んだら分かってるな〜って思いますから。」

偽「いやw知らないですけどね。まあ、それでケーキセットがほとんど同じタイミングで来たんですよ。同じようなタイミングで頼みましたから。」

T「そうですね。使うもの同じなはずですし。」

偽「それで、僕はありがとうございます〜って言って。とりあえずコーヒーを一口飲んで。さあケーキを食べようとしている時、ちょうどその人の所にもケーキセットが届いて。」

T「はいはい。」

偽「そしたら、その届けてくれた店員さんに、注文いいですか?と。言うわけですその人は。」

T「まあまあ…そんなに珍しいことではね、無いと思いますけど。」

偽「いや、問題なのはその頼んだものなんですよ。」

T「え?」

偽「その人、ハンバーグカレーを頼んで。」

T「ハンバーグカレー…」

偽「その…色々あるんですよ。まず時間がちょうど昼夕方の3時くらいで。普通はそんながっつり食べる時間ではないというか。」

T「まあそうですね。」

偽「それでその…ケーキセットが来た時に頼んでるんですよ。」

T「あー…w」

偽「先にケーキいく?ってなりません?普通ケーキなんてデザートなんだから。」

T「そうですねw」

偽「それまでまあこっちが勝手にではあるんですけど親近感が湧いていたんですね。だから急に裏切られたような感じがして。」

T「あ〜確かにね。」

偽「これもしかして僕もハンバーグカレー頼んだほうがいいのかな?って、一瞬思っちゃったりしたんですよ。そんなわけ無いんですけど。」

T「ww」

偽「まあよくよく考えたら顔も見た事ない赤の他人だしな、と。気にせずケーキ食べ終わったら出ようと思いまして。」

T「普通に3時の休憩のつもりで入った訳ですもんね。」

偽「そうなんですよ。それでちょうど僕が、大体食べ終わって、ちょうどコーヒーを飲み切ろうと言う時にハンバーグカレーが運ばれていったんですね。あの席に。」

T「ちょうど来たんだね。」

偽「そしたらその人はまたその店員に注文いいですか?と。」

T「まだいくんすかw」

偽「そう!そうなんですよ!僕も流石になんかおかしいぞと思って。コーヒーおかわりでもするのかな?と思ってちょっと気になって、コーヒー飲みきらずに聞いてたんですけど、その人ミートソーススパゲッティとクリームソーダ頼んで。」

T「ええww」

偽「常軌を逸してるじゃないですか。もう。」

T「そうですねw確かにw」

偽「僕はこんな奴と通じ合った気がしていたのか!って。んな訳ねえだろうがよって。」

T「www」

偽「それで、ちょっとあまりにも気になるじゃないですか。だからトイレ行くふりしてどんな人か確かめようと思って。」

T「あ〜。」

偽「でもなんか、そんながっつり凝視する訳にもいかないじゃないですか。こう…なんというか」

T「いや分かります分かりますw その喫茶店の落ち着いた空気の中ねw」

偽「だからチラッて。不自然だと思われないくらいギリギリの角度で目を思いっきり左に寄せて見ようとしたんですけど、ちょうど壁で見えないんですよね。トイレがある場所からも。」

T「あw 店の構造がw」

偽「そう!入った直後はいい所だと思ってた高い壁が想像以上に計算された配置っぽくて、いろんな角度からちょうど見えないようになってるんですよね。」

T「いい所だったはずが急に牙を剥いてきたんだw」

偽「それであちゃー、ってなって、入りたくもないトイレに入って、先に戻る時もできる限り見ようとしてみたんですけど、結局見えなくて。」

T「まあしょうがないですね。お店の方が一歩上を行っていたという事で。」

偽「それで席に着いて。でもあまりにも気になるもんだから、普段は絶対こんな事しないんですけどコーヒーおかわりしちゃって。ちょっとゆっくりして行こうと。」

T「完全に待ちの体制ですね。」

偽「そう。もうこいつの顔とテーブルの状況を確認するまでは帰れないなって。でなんやかんやしてる間にスパゲッティが来て。それでまた注文するんですよ。今度はミックスサンドイッチ。」

T「炭水化物のオンパレードですねw」

偽「よほどのデブなんだろうなとその時確信しましたね。それでまあ、スマホいじったりしながら、動向を窺ってたんですけど、ここからが一番ヤバくて。」

T「ヤバい?まあ今までのもちょいちょいヤバいですけどね。」

偽「その席の奴が、立ち上がったんですよ。その後トイレに入るんですけど、その席とトイレの間から見えたんですよ。一瞬そいつの姿が。もうまじで、夢見てんじゃ無いかと思ったんですけど。」

T「え?どんな姿だったんですか?」

偽「その…信じられないと思うんだけど…あの…着ぐるみ…着てて…」

T「えええ!!」

偽「いやその、これまずはっきりさせておきたいんですけど、これ嘘じゃないんですよ。」

T「え~ほんとに?」

偽「ほんとに。それで、あの…やっと我々に関係ある話になるんですけど、その着ぐるみに見覚えがあって。どこで見たんだっけ…って思って。まずその着ぐるみの感じが猫っぽいんですよね。猫っぽいけど、二足歩行で、なんか不自然な感じで。」

T「ほ~…?」

偽「それで、ちょっと悩んでアレですよ、もう、電流走るってやつ。あの~、覚えてますかね、餅のアイコンだったあの、謎の太った猫みたいなのいたじゃないですか。」

T「あ~!はいはいはい!それが?それが、え?」

偽「その、着ぐるみだったんですよ。このアイコンの。」

T「いやいや!それは…w やりましたよね?」

偽「本当なんですよ!やってないんです!いや、まあ、もはやあなたには信じてもらえなくてもいいです!リスナーの中に一人でも信じてくれる人がいることを信じて続きを喋りますので!」

T「www」

偽「それで、もうこれ本当に信じてもらえないと思うんですけど、餅、まあ仮称として餅がトイレに入るじゃないですか。それで入ってる間にサンドイッチがテーブルに来て。」

T「もう話半分で聞きますけど、そのあとどうなったんですか?」

偽「その……まが、トイレから出てきて…。」

T「wwww」

偽「もういいんです!作り話ってことにしてもらって構わないとまで思ってます!まが出てきたんです!」

T「いやw そのまって本人なの?w」

偽「僕も何かがおかしいと思ったんですよ!だからまたトイレに行って、百歩譲ってたまたま偶然まがトイレに入ってて、そのあと餅が入って、先にまが出てきたっていう可能性も、まだ、残っていると。」

T「ww」

偽「でもトイレはもぬけの殻で。で、着ぐるみがどこにもないんですよ。おかしなことに。」

T「もう滅茶苦茶じゃないですかw」

偽「わかってるんですけどね…まあ、それでとりあえずまに会いに行くじゃないですか。そしたら普通にさっきまで餅が座ってた席でサンドイッチ食べてて。」

T「www」

偽「それでまの所に行ったら『おぉ偽、奇遇だな』みたいなことをぬかしやがって、あんま舐めんなよマジで!!」

T「いやwwまあ一万歩譲ってwまがいたまではいいと思うんですけど、着ぐるみはどうしたんですかw」

偽「いやそれなんですけど、一個仮説があって。」

T「仮説?w」

偽「こいつもしかして女子の方行ったんじゃねえか?って!」

T「wwww」

偽「だって男子トイレのどこにも個室にも無いんですよ!あんなデカいもの隠せるわけもないじゃないですか!」

T「私にはわかりませんけどねwwまあ金曜日聞いてみます?w」

偽「ちょっと問い詰めてやってくださいよ!なんなら僕もゲストで行きますよ!」

T「お~それは楽しみですねw ちなみにまと会った後はどうしたんですか?」

偽「サンドイッチ一切れ奪ってもう…頬張りながら会計して、退店しましたね!」

T「www」

 

(CM)

 

T「えーアペックス内蔵限界深夜ラジオ、この番組はエレクトロニックアーツ、キリン、ツィマッド社、スターバックス、以上各社の非提供で全国36局ネットでお送りしていません。」

 

T「いや~凄かったですね。インパクトが…w」

偽「もう、何も言いません。金曜日までは。」

T「はい、それでは今日のお便り。テーマは偽に物申してほしいこと、です。テーマメールの場合は件名にテーマ、それ以外の場合は普通のお便りと件名に書いて送ってください。」

 

T「ラジオネーム、ポンプショットガン」

お便り『物申したいのはこっちの方です。よくそんな作り話を平然と話せますね。』

偽「うるさいよ、金曜日まで待ちなさいよ…」

T「まあまあ、至極当然の反応ですからね。」

偽「Tニキに言われるならまだ分かりますけど、知らん奴に言われると腹立ちますね。」

T「あんま知らん奴とか、言わないのちょっと…」

偽「くそ…」

T「お便りになると口調が急に悪くなることでお馴染みですからね。初めて聞いた方はびっくりしたかもしれません。」

 

T「ラジオネーム、ラマタクスゼイアン」

お便り『横断歩道でまだ歩行者信号が青になっていないにも関わらず車道信号が赤になったら自分のタイミングで進みだして周りにフェイントをかける輩に対して一言お願いします。』

T「…あるね、あの、ちょっと周りもついて行きかけるけど信号を確認して止まるやつ。」

偽「そこまですんならもう赤無視して行っちまえよ…」

T「いや車道青だから、もしかしたら車が沢山通ってるかもしれませんよ?」

偽「そこが腹立つところですね。中途半端に安全を担保しようとしているっていうのが。」

 

T「ラジオネーム、コルク。」

お便り『まはトイレに入る前着ぐるみだったそうですが、どうやって今まで運ばれてきた料理を食べていたのでしょうか。というかそもそも、テーブルに料理はありましたか?』

偽「いや、それがテーブルには何枚もすっからかんのお皿がね、あったんですよ。」

T「これ大丈夫?wなんかさ、話しちゃまずかったりするんじゃないの?」

偽「え?」

T「なんか…他局のドッキリ番組の標的にされたけど、何かの手違いでネタバラシと会う事なく帰っちゃった、とか…」

偽「あ〜確かに。よく考えたら…ヤバいかもしれませんね、もし放送前だったら怒られちゃうかも…」

 

T「前半トークに長めの時間を取ってしまったので本日は以上となります、少なくてすいませんね。来週読む分も募集中ですので、お気軽にお送りください。」

偽「来週には全ての謎が明らかになっていることでしょうから。」

 

(CM)

 

T「いやーワタクシちょっと先日、まあこういう仕事柄ですからアレですけど、アメリカ本社のエピックゲームズにご招待いただいて、イベントに出てきたんですよ。エピックの偉い方と色々実のある話をさせてもらって。」

偽「BIGになったもんですね、掲示板に書き込んでただけだと思ってたらいつの間にかね〜。」 

T「いやーほんとありがたいお話なんですけど、色々ありまして。まずご招待頂いたということで、色んな手配とかは全部エピックさんがやってくれたんですよ。」

偽「いいですね〜面倒な事全部やってもらえる旅行。」

T「それであの〜、飛行機なんですけど、ビジネスクラスを取っていただいて。エコノミーでも全然って言ったんですけどね?」

偽「まあまあ。」

T「それでその…海外便のビジネスクラスという事で、とにかくサービスが凄いのよ。もうやれチキンオアビーフやら飲み物やら。」

偽「へえ〜、チキンオアビーフって本当に聞かれるんですね。」

T「そう、それもそうなんだけど、あの〜、アメリカまで行くってなったらめちゃくちゃ長い訳じゃないですか。距離とか時間とか。」

偽「まあそうですね。」

T「だからあの〜、チキンオアビーフとか、飲み物とか何回も希望を聞かれるんですね。」

偽「羨ましいな〜。」

T「いや、そう思うのも分かるというか、まあ分かるんですけど、ここまで長い時間乗ると一個気になって。別に何かを悪く言うとかじゃなくて気持ち的な問題なんですけど。」

偽「ほう?」

T「その…車内配膳のカートが通るたびに、律儀に聞いてくれるんですね、飲み物要りますか?って。」

偽「毎回?凄いですね…」

T「そうなんですけど、あの〜、僕とCAさん?でいいのかな?の会話を再現するんですけど、」

 

CA『お飲み物はいかがですか?』

T『あ、お願いします。』

CA『冷たいものと暖かいものどちらになさいますか?』

T『えっと、じゃあ冷たいので。』

CA『アイスコーヒー、アイスティー、コーラ、オレンジジュース、お水がございますがいかがなさいますか?』

T『あー、じゃあコーラで。』

CA『かしこまりました。』

 

T「大体こんな感じだったかな?確か。」

偽「凄いですね、色んな種類あって。」

T「って思うじゃないですか。でもこのやり取りがかれこれ10回くらいあるんですよ。1フライトに。」

偽「そんなに。」

T「で、そんなにあるとですね、あのー、飛行機に乗ってるCAさんも限られてる訳で。配りに来てくれる方が、毎回違う人な訳ないじゃないですか。毎回同じ方なんですよ。」

偽「はいはい。」

T「そうすると、なんというか、あのー、発生するんですよね、読み合いみたいなものが。」

偽「あーw」

T「飛行機ってただでさえやっぱり寝にくいので、ちゃんと寝たいじゃないですか。だからコーヒーとかアイスティーみたいなカフェイン入ってるものはダメで。トイレも行きたくなるし。」

偽「縛られていくんだねw」

T「それでー、折角配ってくれるんだからなんかちゃんとしたものを飲みたいというか、そういう貧乏くさいところがありまして、お水はイマイチと。」

偽「あーなんとなく分かりましたよ。」

T「残されたのがコーラとオレンジジュースだけなんですよね。それでそのー…10回くらいあるんですよ。このやり取りと並行してこの思考も。」

偽「ww」

T「それでその前にアイスホットの2択もあるんですね。僕アイスしか飲まないんですけど。」

偽「なるほどねw」

T「僕は正直、お飲み物は?と聞かれた時点でコーラかオレンジジュースを頼んでしまいたい、というか。」

偽「www」

T「同じ方がやってらっしゃいますから、もうこいつコーラかオレンジしか頼まねえなと思われてると思うんですよ。」

偽「まあ10回もある訳ですからw」

T「でもなんか…招待されたというのもありますし、ビジネスクラスですから、キチッとしたスーツを着て、身なりを整えて乗った訳ですよ。飛行機に。そんなキッチリしたいかにもなビジネスマンがコーラかオレンジジュース2択を即答っていうのは、なんか若干気にしすぎかもしれないんですけど、なんか恥ずかしいと。」

偽「www」

T「だからもう、不毛な空間でしたよね、最後の方は。僕もなんか、聞かれる度に初めて聞かれたようなリアクションしちゃって。アイスホット聞かれた時もなんか、『あー、じゃあアイスで』って、即答したいのに、なんか若干、悩んでるフリしちゃってるんだよねw」

偽「もうお互い分かってるのにねw」

T「もうチキンオアビーフみたいにコーラorオレンジ?って聞いてくれてもいいよねw もはやw」

 

(CM)

 

T「さああっという間でしたがお別れのお時間です。」

偽「金曜日のスケジュールは空けておきますから。ボコボコにしてやりましょう。」

T「ちょっと今日のは…なんかね。なんとも言えないですけども。」

偽「いいです、もう。ハッキリさせましょう、という事で。」

T「まあまあ、という事で遅くまでありがとうございました。お時間となります。」

偽「明日は新人の棒さんが来ます。」

T「新人じゃないのよ。」

アペックス内蔵限界深夜ラジオ

ハモリ『アペックス内蔵の限界深夜ラジオ!!』

 

Tニキ「さあ本日も始まりましたアペックス内蔵の限界深夜ラジオ、本日はメインパーソナリティであるワタクシTニキと」

B「月曜パーソナリティのBがお送りします、今日も午前3時までどうかお付き合いいただければと思います。」

 

Tニキ「いやーね、もう10月ですよ。」

B「いや、もうアレなのよ。もうそれ。」

Tニキ「え?アレってなんですかアレって」

B「もう、アレでしょ?涼しくなってきた〜みたいな話、あれもう皆聞き飽きてんのよ。」

Tニキ「いやいやいや。」

B「我々ね?毎日取っ替え引っ替えでずーっと喋り続けてますけど、もう何回目よそういう、やつ。」

Tニキ「そういうやつってなんすか、僕はただ10月ですね〜と、言っただけですよ?」

B「10月ですね〜から広がるトークそんなないだろ情報番組じゃねえんだから」

Tニキ「それは情報番組に失礼でしょうよそんな…」

B「まあいいですけどね?10月…ねぇ。」

Tニキ「いやいやそんな無理やり広げようとしなくてもいいですけどね?」

B「…まあまあ、はい。」

Tニキ「やめてくださいよそんな露骨な…」

 

B「そういえばさっき、冒頭の挨拶の時思ったんだけどさ。」

Tニキ「なんでしょう。」

B「お前のそのTニキっていうハンドルネームさ、自称してるよね?」

Tニキ「あーはい、そうですね。」

B「いやもうね、あんま人の名前にとやかく言うのも野暮というものですけども、ちょっとニキがさ。」

Tニキ「ニキ?ニキが何か」

B「いやニキがさ、あの〜ニキって言葉って兄貴の略というか、そういう意味として使われてるじゃん。」

Tニキ「まぁ…そうですね。」

B「自称する?って」

Tニキ「え?」

B「いやぁだってTニキって、まあ誰かに呼ばれる分にはいいけども、なんか普通に自称している事に改めて聞くと気がついたんだよ今」

Tニキ「いやいやいいじゃないですか、別にそんな」

B「自分の事を…兄貴だと、思ってる?」

Tニキ「いやいやいや…w そんな、そんな事は」

B「自分は兄貴と呼ばれるに相応しい人間であると、思ってる?」

Tニキ「それは…w それは受け取り方次第というか…まあその、ずっとこの名前で昔からやらせて貰ってますからね?」

B「だとしてもよ。その、他人から見て兄貴っぽくあるかも怪しいのに、そんな自信満々にねぇ?」

Tニキ「いやいやいや、そんな、そんな意図は一切ありませんよ」

B「由来なんだっけ?Tニキって…」

Tニキ「いやぁ由来は、まあ非公開とさせて頂いていますけどもね?」

B「隠してるじゃん、それはもう。兄貴と呼ばれたい欲望を。」

Tニキ「いやいやいやそんな事言ったらあなただってBラマなんて名前で…私と似たようなもんでしょ。」

B「いや俺はもうラマ引退したから。というかラマになりた…ラマと呼ばれたい欲望って何よ。」

Tニキ「え?引退したんですか?ラマ。」

B「まあまだBラマと呼ばれることも多いですけども、一応正式名称を変えてね?今はもうB一文字になってっからもう今」

Tニキ「えぇー!あそう!知らなかった確かに最近なんか、あ〜確かに今日の挨拶もBって言ってたね!」

B「じゃあもう…アレか、お前も、Tにするか。」

Tニキ「え〜そうなる?」

B「いやもう俺もBだから、一文字ずつね?金曜パーソナリティのまも一文字だし。BTコンビ(笑)みたいなね?」

Tニキ「いやダセー…」

B「もはやBTまトリオでもいいわ。もう。」

Tニキ「2人アルファベットなのになんかまだけ異形じゃないですか。なんかハブられてるみたいな。」

B「あいつはハブってこw もうね。しょうがない。一文字なのが悪いわw」

Tニキ「やめてくださいよそんなぁ…金曜日一応僕とまでやるんですから、気まずくなったら嫌ですからね?」

B「じゃあもう偽ラマもラマとって偽にしちゃうか。一文字にできる奴は全員一文字でな。名無しの緑も緑で、一文字!いぬ〜じゅも短くして、犬、で。」

Tニキ「そんなみんなバカ供皆一文字にしちゃったらアレじゃないですか…w 唯一どうあがいても一文字にできない1884がw」

B「あいつはじゃあ…どうしよう。1884もだけどち○こ系でも…ねえ、なかなか一文字にならない。」

Tニキ「やっぱりね、一文字縛りなんて無茶なんですよ。やめときましょ?」

B「もう…棒とか。」

Tニキ「いやいやいやww」

B「そっち路線でね。」

Tニキ「1884とち○この2択でそっち選ぶことあります?w」

B「これでもう…毎日やるTが最初で月曜日の俺から並べてTB偽棒犬ま緑よ。」

Tニキ「あーでもこうして聞くと…まあ棒は不自然ですけどw 結構一文字でもいけるもんすね。」

B「これで行くか。これからは。T兄貴もね、Tになってくれる!ということらしいから。流石兄貴!ってね。」

Tニキ「いやそんなw そんな事言ってないですからねw」

 

(CM)

 

T「えーアペックス内蔵限界深夜ラジオ、この番組はエレクトロニックアーツ、キリン、ツィマッド社、スターバックス、以上各社の非提供で全国36局ネットでお送りしていません。」

 

T「それではお便り参りましょう。今日のテーマはワタクシTニキの新しい名前、です。」

B「さっき決まらなかった?」

T「いえいえ、あれはまだですから。お便りにいいのがあればTは返上致しますから。」

B「ほー…お手並み拝見、ということで。」

T「だるいな〜。」

 

T「ラジオネーム、名無しの忍者。」

お便り『Tニキさんは兄貴と呼ばれるに相応しい方なので、逆にTをなくして兄貴とするべきだと思います』

B「相応しい?ほんとに。」

T「いやそこじゃないでしょうよ…兄貴て。一文字じゃないのはもうツッコまないんですか?」

B「いや全然…いいっすけどね?」

T「なんでそんな急に興味無くなってんのよ〜」

B「俺はTがいいと思ってるからね。後悔しても知りませんよ。」

 

T「はい、えーラジオネーム、Tのファンクラブ

。」

B「ファンクラブ!?ファンクラブあるんだTって。」

T「いやないでしょ。流石に。」

お便り『私はTという名前に対してあまり意見は無いのですが、Tという文字は男性器を想起させるとしてそういうものの隠語のような形でよく使われる印象。このままでは水曜担当の棒氏の立場が危ういのでは?』

B「あ〜確かに。」

T「棒が定着している上に氏までついちゃった…そんなTがち○こに見えるなんていうのは、ファンクラブの心が汚れてるだけじゃないですか?」

B「ち○こ兄貴だな。これはもう。」

T「どんどん酷くなっていきますね。Tのファンクラブさんはファンクラブ会員資格失効です!」

B「え〜ひど〜。」

T「あなたは棒ファンクラブに行ってください。」

 

T「ラジオネーム、アンケートマン」

お便り『知り合いの占い師にTニキさんの新しい名前のおすすめを聞いたところ、秋葉原デアゴスティーニという名前が金運恋愛運満点だそうです。』

 

T「どういうこと?秋葉原秋葉原デアゴスティーニ…?」

B「語呂はいいよね。」

T「一応5・7になってるの腹立ちますね。」

B「わざとなのかな?」

T「わざとだとしてなんで秋葉原デアゴスティーニなのよ。」

B「いやそれはまあ…占い師に聞かないとね?」

T「今度呼びますかブースに。その占い師。Bラマの名前も占ってもらおう。」

B「連絡つくのかな?」

T「うーん…アンケートマンに頑張ってもらおう、そこは。」

 

T「はい、ラスト。ラジオネーム、屋上ホイル焼き」

お便り『もうこれしかないでしょう。キューブ型入…』

T「おい、マイク止めろ」

B「えっ、ちょ」

 

(CM)

 

T「はい、先程は少々音声が乱れてしまいました、大半申し訳ありませんでした。」

B「大丈夫かな?色々と。ね。」

T「では、今日のお便り一位を発表します、

一位は…アンケートマン!」

(ファンファーレ)

B「まあ、ちゃんとした名前を送ってきてくれたのこいつしかいなかったよね。」

T「アンケートマンには午後の紅茶無糖ミルクティー×24本セットをお送りします。占い師の件よろしくお願いしますね。」

 

(CM)

 

B「そういえば思い出したんだけどさ。」

T「お、どうしました?」

B「あの〜、昔ちょっと関わりあったみんなのフラゲチャットって覚えてる?」

T「あ〜ありましたね、あそこがどうしました?」

B「そう、あのフラゲチャットって、普通に流れてるけどあれ、板名えぐくない?」

T「板名?」

B「フラゲってあれでしょ?公式の発売日より早く物を手に入れてそれで遊んで情報リークするみたいな。」

T「確かに、フラゲって言いますね。」

B「あれ普通にギリ犯罪…だよね?リークとかも普通に訴えられてることあるもんね?」

T「いや〜どうかな?あんまり詳しくないけどまあ良いことではないよね。」

B「フラゲチャットって犯罪集団…だったのかな?」

T「いやw流石にフラゲってあれじゃない?あの〜、feederって歴史長いみたいだし、元々はあのおもしろフラッシュ倉庫みたいな?やつのゲーム部門を、語り合おうみたいな板、だったんじゃないかな〜と思いますけど、ねぇ。」

B「フラッシュだとしたらそれもそれで寂しいなぁ…無くなっちゃったし。フラッシュ好きそうなオッサンユーザーとかいなかったよね?もうあそこ。」

T「いやいやわかりませんよ?我々もそんなフラゲチャットの全てを知ってるわけじゃないんですからね。」

B「まあそうか…あんまり適当言うのもよくないかも、しれないね。仮にもね。一時期ライバル関係にあった訳だから。」

T「今思うと10人オンラインならランキング上位って、もう相当過疎化してますよね。」

B「もうあの時点でかなり廃れ気味だったのかな〜」

T「…まあね、色々ありましたけど、フラゲは、やめましょうね。」

B「え〜、マジで?」

T「なんですか?フラゲ容認ですか?」

B「雑だな〜…」

 

(CM)

 

T「さあ、早いものでそろそろお別れのお時間です。」

B「10月も張り切っていきましょう。」

T「なんか今日ずーっと僕の名前の話してましたよね。」

B「涼しい話よりはいいでしょうよ。」

T「いやいやwそれにしてもね?」

B「じゃあなに?来週2時間秋になった話する?俺はいいよ?それでも。」

T「そんな極端にならなくてもねw」

B「まあそんなところで。」

T「はい、明日はこの番組屈指のご意見番、偽ラマがこの世の全てを切り刻みます。お楽しみに。ということで、遅くまでありがとうございました。おやすみなさい。」

 B「10月も張り切っていきましょう!!!」

断じて認めない

ぼく「…はぁー。」

この時期になると、つい夜中に散歩に出てしまう。心地いい気温と風を浴びながら、公園のベンチでタバコを吸っている。

花粉症を患ったりしていると、特にこの時期は大変でこんなことをしている余裕も無いだろう。僕は幸運だ。花粉症ではないのだから。

 

ぼく「…?」

足音が聞こえる。明らかにこちらに近づいてきている。不審者か、まずい、こんなリスクもある事は承知だったが、よりにもよって今日とは。

 

「すいませーん…スッ…警察の…者です…ゲホッ」

ああ、よかった。少なくとも危険な目に合う可能性は無くなった。

ぼく「えぇ、どうしました?」

警察「ここらで最近…ズズッここらで…あぁ…ハァ…」

ぼく「花粉症ですか?」

警察「いや…花粉症じゃああ…ヴェクション!」

花粉症の患者は、いつも頑なに自分が花粉症と認めないのだ。

警察「あぁ、とりあえず…そう、最近このへんで殺人事件がありまして…あぁ!はぁ、ちょっと職務質問を…ズッ」

ぼく「え〜っ、あっ、はい、構いませんよ。」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

警察「…あ…あい、一応、確認取れましたので、スッ一旦本部に連絡した後アレ…簡単な聴取を、よろしくお願いしまずッ」

ぼく「大丈夫ですか?かなり苦しそうですが」

警察「いや、花粉症じゃないんでぇ…」

まだ何も言っていないんだが…

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

警察「はい、えーそれでは、えー…スッなんか最近、変な噂とか…なんか見たり、とかしませんでした?目撃証言によると…犯人は全身ん゛、黒い服で…しきりにくしゃみをしていた…とか。」

ぼく「いやぁ〜知りませんね。周りに花粉症の人もいないですし。」

警察「かっ花粉症とは限らない…じゃないすか、憶測はよくないでっすよ。」

ぼく「はぁ、すいません。」

警察「いえ…ずいません、それじゃあ最後にバックの中身だけ…ズズッ」

ぼく「…あっ、そうです、か…」

警察「チャック開けますね……え」

血まみれの凶器が中に入っている。

警察「お兄さん…これ…」

ぼく「…」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

あの警察は山に埋めた。

自分でも薄々分かっているのだ。

花粉症の患者は、いつも頑なに自分が花粉症だと認めない。

ぼく「はあ…あ゛ぁ゛…ヴァクション‼︎」

感謝

感謝とは素晴らしいもの。

自分も相手も笑顔になり、ネガティブな感情が一切発生しない行いだ。

嬉しかったこと、楽しかったこと、そういう感情を受け取った時、私は感謝を欠かさないようにしている。

道端でハンカチを落としましたよ、と教えて貰えばありがとう。

頼んでもいないのに店員が水を汲んでくれればありがとう。

 

私の趣味は、深夜ラジオを聴きながら机に向かって何かに没頭すること。最近のマイブームはスケッチブックに気の向くまま落書きだ。

落書きと言うが、私は自分の絵を結構上手いと自画自賛しているところがある。

少なくとも見られないようなものではない…と信じている。

ラジオからノイズ混じりに言葉が飛んでくる。

「そうえいば、最近ね、嫁がSNSを始めたんですよ。なんでも自分が描いた絵を載せるとかで、それが結構楽しいらしくてね〜。」

このMCは人気女優と結婚した芸人だ。

この番組自体は結婚前から続いているが、MCがその女優の話題ばかり出すようになったため人気がガタ落ち。番組終了も危ぶまれている。

…うーん。

SNS、そういえばやった事なかったなぁ、と今になって思い立つ。

生涯インドア趣味の私が手を出していいものじゃないと思い込んでいたが、今の話を聞いて刺激を受けた。

スケッチブックを閉じ、スマートフォンでおすすめSNSを検索してみる。

 

「今SNSを始めるならどのサービスがおすすめ?徹底解説!」

 

私が数少ない感謝してたまるかと思っている事柄の一つに、こういう類の中身がないまとめサイトがある。

 

「1.インスタグラム!キラキラした若者が日常を投稿する、アクティブな人向けのアプリ!」

 

うーん、画像投稿必須なのがイマイチかなぁ。

絵をアップするにしても、必ず絵を付けなきゃいけない。アクティブじゃないし。

 

「2.LINE!みんな使ってるチャットアプリですが、実はSNSとしての機能も備えています!普段連絡を取る人とも一緒に楽しめる!」

 

そういうんじゃないかな…なんかズレてる。

 

「3.Twitter!インスタグラムみたいな眩しい場所にいるのはちょっと…と言う人向けの、落ち着くSNS!」

 

…バカにされてる?

 

「いかがでしたか?」

 

バカにされてるわ…

 

私は無言でTwitterをインストールした。

 

さて、絵を投稿するためにアカウントを作ったわけだけど、なんか絵を描けばいいのかな…

SNSなんだから、人との関わりも多いし、気をつけなきゃなぁ。

とりあえずどんな絵が上がってるか見てみよう…え?

なんで皆同じ女の子を描いてるんだろう…?

沢山絵描きがいるのに、なんかおかしい。

いいのか…?いや、先人の教えには素直に従うべし、だ。道を示してくれてありがとう。

カキカキカキ…パシャッ

皆付けてる#ブル○カも忘れずに…と。

はぁ、なんか色々したら疲れたな。ラジオも終わったし、ちょっと休もう。

 

〜翌日〜

な、なんだこれ…とんでもない数の通知が…

「アナログなのにそれを感じさせない画力!」

「もしかしてプロのイラストレーターの息抜きアカウントだったり…?」

う…うわあ…凄いなぁ、SNS

 

少し楽しくなりつつもあり、私は絵の投稿を続けた。未だにブル○カがなんの事かは知らないが、皆付けてるし大丈夫だろう。

たまに「〇〇ちゃんはそんな事言わない」「〇〇ちゃんに余計な属性を付け足すな」なんていう返信も来るけれど、そんなの知らん。

 

…待てよ?このいいねをくれる人たちは好意でいいねをくれている。

なら、この人達にも感謝をするべきじゃないか…?

───────

 

「1いいねありがとうございます!」

「2いいねありがとうございます!」

「3いいねありがとうございます!」

 スレッドを表示

 

ようやく1000いいね目に感謝をし終えた頃、私のアカウントのDMには誹謗中傷コメントの山が積み上がっていた。

「自己顕示欲モンスターがブル○カを汚すな」

「TL汚染やめてください」

 

…ブル○カってなんなんだ、一体…。

数万人いたフォロワーはごっそり減って、何をツイートしても悪口ばかり。

前までは普通に出来てたのに、何がダメだったんだろう…?

感謝が足りなかったのかなぁ。それなら仕方ない。感謝は尊いものだからね。

人権剥奪ランク・違法賭博編

新総裁に選ばれた高市総理の手によりアニメやゲーム等のオタク文化が全面的に日本から淘汰されつつある中、ここぞとばかりに野党が打ち出した法案はこの国のゲーマーを闇へと引き摺り込む邪悪なものだった。

その法案の内容は『ゲームの腕前に応じて人間としての価値が下がる』というもの。

野党はマイナンバー制度を悪用し日本人のゲームセンスを一方的に収集し続けていたのだ。

ゲーム文化を廃れさせたい高市総理の思惑と見事合致し、この法案は即刻可決される事となった。

 

それからというもの、各ゲーム界隈は荒れに荒れた。

その中でも特に顕著だったのは、日本で圧倒的な流行を見せていたAPEXである。

このゲームでは実力がゲーム内で区切られており、上位の者にはより正確な経済的制裁が加えられた。

正確に言えば、ブロンズⅣより上のランクに上がっていく度に国が課す全ての税金が50%ずつ上昇する。

更に過去にマスター・プレデター経験がある者に対しては、全ての事象において基本的人権を無視すると発表された。

こうしてストリーマーやプロゲーマーと呼ばれる人間達は、一気に人間の底辺へ転げ落ちていく事になる。

 

少し経った頃。

超高額の税金を納めきれなくなったプロゲーマー達は家を「差し押さえ」という名目で取り壊され、路地裏や公園を点々としていた。

謂わゆるホームレスと化した元プロは何とか定住出来る公園等を見つけて現状の打破は成功していたように見えたが、この法案が可決される前から住所不定だったホームレス達は『自分達より価値が下の人間が出来た』という昂りから隠れ家を荒らしまわり、その住居からプロを強制的に追い出すのだった。

 

そしてこの突貫工事とも言える法案の致命的欠陥が、徐々に徐々に明らかになってくる事になる。

というのも、この法案はランクによって規制度合いが強くなっていく事から以前『カジュアル専』と呼ばれていた万年ブロンズ判定のプレイヤーが突然その地位を確立していったのだ。

友人に誘われて一度だけプレイした等の理由で規制を喰らうというような不慮の事故を防ぐ為に、ブロンズは未プレイの人間と同様に規制は一切加えられなかった。

このカジュアル専は、規制こそ掛かっていないが万年シルバーのゲームセンス皆無なプレイヤーより腕前が上という事は明白だった。

 

一気に人間としての頂点に押し出されたカジュアル専達は、この機会を逃すまいとある計画を実行に移す。

その計画とは、以前プロゲーミングチーム・Crazy Raccoonの事務所があった廃墟にてプロを利用した裏カジノの営業を開始するというもの。

ここに既に収容されていたプロやストリーマーは、不安には思いながらも定住できる収容部屋と食事が提供されるという安心感からすこし安堵していた。

しかし人権が剥奪されたプロ達にとって、このカジノはそう甘くは無い。

 

裏カジノ開場当日。会場には既に存在を知ったカジュアル専が列を成しており、大盛況と言っても差し支え無いだろう。

そんな中、遂に賭場が開かれる。舞台は射撃訓練場での1on1だ。

司会「記念すべき第一回戦の試合は…これだ!」

両選手の名前が開示され、スタジアムに対戦する2人が上がる。

モニターでこの勝負でベットされた賭け率や賭け金の合計がリアルタイムで加算されていく。

司会「それでは早速スタート!と言いたい所だが…今からやる対戦はプレデター対マスターだ!そんな実力差で公平な勝負が出来ると思うか?思わないよなぁ!?」

熱狂しているカジュアル専達は、プレデター側にハンデを背負わせろと怒号を飛ばす。

司会「そこでだ!各選手が使用する武器とレジェンドを我々で決めさせて貰った!」

このハンデこそが、この裏カジノの真髄である。

司会「プレデターって言うのは最上位勢の事だろぅ?じゃあどんな装備でも勝てるよなぁ!」

会場は司会の煽りによって一層盛り上がる。

司会「じゃあプレデターの方はワットソンを使え!武器は…P2020一丁だ!フルカスタム!どうだ?フルカスタムだぞ?良かったじゃねぇか!なぁ!」

困惑するプレデター。会場に目を向けると、自分を見て気持ち悪いくらいにニヤニヤと嘲笑うカジュアル専達の顔が見えた。

司会「そしてマスターは301フルカスタムだ!使用キャラはホライゾン!あぁあと言い忘れてたが、この試合は戦術アビリティの使用が許可されてるからな!」

プレデター側は全てを察した。この勝負は自分を陥れる為だけに開かれた催しなのだ。

 

結果は当然、プレデターの敗北だった。

司会「あぁーっと!どうしたんだプレデター!本来マスターより強いハズなんだがこんな僅かなハンデで下ってしまったー!こりゃあもしかして代行だったかぁ!?ハーッハッハッ!」

対戦したマスターはこちらに視線すら向けず、控室へ戻っていった。

司会「あーあ!折角お前に賭けてくれた人が怒ってるぞ?こりゃあお仕置きが必要だなぁ!」

司会がそう言うと、自分に賭けて怒っているらしい巨漢が近づいて来た。

司会「今回の『お仕置き』は…そうだな、じゃあEVA-8を訓練場の一番遠い的に全弾命中させるまで終わらないってのはどうだ!」

盛り上がりは最高潮に達した。観客はこれを目的で見に来た、というのがこちらにも容易に分かる程の熱狂である。

司会「8回失敗したらリロードごとにそこの巨漢がプレデターを殴り付けるぞ!一定時間撃たなかったりしても同じだ!でもこんなお仕置きすぐ終わるよなぁ?だって『プレデター』なんだから!」

 

当然達成できる訳も無く、過去のプレデターは観客に爆笑されながら気絶するまで顔面を殴られ続けた。

 

こうして広まった元プロ・ストリーマーを痛ぶる行為は警察の黙認を後押しに、完全な娯楽としての地位を確立した。

一定の間隔で廃墟から放り出される変死体は、周囲の住人から気味悪がられたという。