キングダムホーモの真実

Tニキ参戦!(ドン!)

スマブラ最後のダウンロードコンテンツとして大々的に発表されたTニキというファイター。

しかしこの参戦は、ファンから冷ややかな目で捉えられる事になる。

「いや、Tニキって誰だよ?」

「何のゲームのキャラ?」

「期待はずれどころの騒ぎじゃ無いんだけど…」

世界中で批判の声が続出し、アーカイブの低評価数が高評価数を上回った頃。

櫻井政博から新しいツイートが投稿された。

「なんと、キングダムホーモからTニキが参戦です!」

ここでようやくファンはキングダムハーツとの関連を示唆される事になる。

 

困惑するファン達は、キングダムホーモという単語がどういう意味を持つのか調べて尽くした。

すると、あるブログがヒットする。

「キングダムホーモ 1-0…?」

そこに在ったのは、このブログを書いた『Tニキ』という存在、そしてその人物像だった。

淫夢厨、猛虎弁、自作小説という痛々しさ。

これだけを見れば、Twitterではよくいるホモガキの1人に過ぎない。

しかし、争点はそこには無かった。

「『Tニキ』のTwitterリンクが貼られてたぞ!」と意気揚々にリンクをクリックするファンの1人は、衝撃的な光景を目にする。

『このアカウントは存在しません』

Twitterは、元あったアカウントが凍結や垢消しされた場合、『アカウントが凍結されています』だったり『問題が発生しました』という表示が出るもの。

つまり、このTニキのアカウントは元から存在しなかった事になっているのだ。

ではこのブログを書いた人物は誰か?

Tニキという存在は何を意味しているのか?

答えは出ぬまま、つかいかた発表の翌日を迎えた。

 

そんな中、またしてもファンの1人が『キングダムホーモ』について書かれたページを発見。

ルート・レイク。極々ありふれた弱小チャットの一つだ。

発見者はそのリンクをクリック。すると…

目の前が真っ暗になった。

意識がだんだんと薄れてゆく。

…気がついた時には、もう発見者はこの世に存在しなかった。

正確には、彼が座っていた部屋から彼の姿だけがポッカリと消えていた。まるで元々存在していなかったように。

しかしインターネットで繋がったファン達は、その事に気がつく事は出来なかった。

次々とルート・レイクにアクセスするスマブラファン。

その先には何があるのか。

 

「…………?」

「ここは…?」

先程まで暗かった視界は、突然痛いほどの強い光を捉えていた。

目を細めながら周りの状況を確認する。

「…人?息は…あるか。」

目覚めたファンの周りには、目覚める前の自分と同じように沢山の人が浮遊している事に気づく。

「目覚めたのは俺だけなのか…?」

 

このファンは、ゲームオタクだ。それも生粋の。だからこそ気がつく事が出来た。

「というかここって…ゼロポイント?そういえばここに入る前のチャットの名前もルートレイクだった…今俺がいるのはゼロポイントの中なのか…?」

真実に近づくファンをよそに、また視界は暗くなっていく。

「ま…待って…俺は…」

 

気がつくと、ファン達は先程と変わらない部屋で先程と変わらない位置に座っていた。

モブ「そうだ…寝てる場合じゃ無いな。Tニキの正体を確認しないと。」

そう言いTwitterを開くと、目に飛び込んで来たのは一つのトレンドだった。

モブ「ソラ参戦だって…?どういう事だ!」

その理由は、彼だけが知っていた。

「ゼロポイントでTニキが参戦した世界線から…正しい世界に戻ってきたって事なのか?」

 

スマブラファン達は、スマブラという巨大なコンテンツが生み出す時空の歪みに巻き込まれた。そしてTニキが参戦するパラレルワールドで生きる人という認識を無自覚のうちに刷り込まれていたのだ。

 

ゼロポイントを通じて誰もが納得する世界へ帰還する事が出来たスマブラファン。

そして『桜井』政博から、新たなツイートが更新された。

「長い間本当にお世話になりました!これにてスマブラSPは完結です!」

 

変わらずこの世界ではキングダムホーモが朗読されるし、まは記事をしっかり読んでいない。

それでもTニキ参戦という最悪の結末からファンを守ってくれたソラ参戦という救済によって、あの忌まわしい世界線はルート・レイクのゼロポイントで永遠に封印されていく事になる。

NICには気をつけろ

Esportsをテーマとした深夜ラジオ番組にて─

 

MC「続きまして、ラジオネームMr.CheeseRifleさんからのお便りです。」

 

名前は出さない。が、よく聞けよ、俺は一時期アメリカで最もゲームが強かった男だ。

アメリカのEsportsシーンを熱狂させた。

強力なスポンサーがいくつも付いたし収入もバカみたいな額だったよ。我ながらいい人生を送って来たと、あぁ…思ってしまう程にはね。

そうさ、俺はゲームに生まれ、ゲームに生き、ゲームと共に終わる。

そんな生き様に憧れてたんだ、あのクランを見つけるまでは…な。

 

今から話すのは俺が現役バリバリで活躍してた10年前くらいの話だ。あの頃は輝いてた。俺も俺が見る世界もな。

そのクランは今のビデオゲームって呼ばれてる物が生まれた地、ニッポンに確かに存在していたんだ。

初めて見た時は…何と言えばいいかな、ただただ恐怖しか感じなかった。

たかだか1クランに恐怖を感じる?バカバカしいか?そうだろうな。だがこれはマジな話なんだ。

とりあえず、ヤバいんだよ。何もかも。ゲームの腕前も内情も色々と。

そのクランのクラマスが言ってた『メンバーで一番弱い奴』と極秘で対戦するチャンスが与えられたんだ。今思うとあれはメチャクチャ光栄な事だったんだろうな。

結果が聞きたいか?…いや、いいんだ。この話をした奴は皆こぞって結果が気になると言う。その度に俺は屈辱を味わうんだがな。

俺ともあろうプレイヤーが一切相手に攻撃を当てられなかった。というか、そもそも相手が見えなかった。

同じゲームをしているとは思えないんだよ。悔しいけど。

新種のキャラコンなのか知らないが照準どころか画面の中にすら収められない。そんな早い動きで翻弄された。俺が今までやってた事はお遊びだったんだ…って、思っちまった。どうかしてるんだあいつら!勝てっこない!

俺はとびきりの負けず嫌いだったがな、あいつらだけは諦めるしか無かったと思う程圧倒された。

 

あぁそうそう。もう書き直すのも面倒だからここで忘れてたクラン名を書くが『NIC』って名前だった。どうだ?聞いた事あるか?

日本で有名だったのはCR?だったと思う。だがそいつらも俺みたいなアメリカのマジで強い奴らには叶わないくらいのレベルだった。

ニッポン人はゲーム作りは上手いがゲームはヘタクソだって思ってたんだ……あぁ話を戻そう。腕前の話ばかりしてても埒があかないからな。それ程あいつらのゲームセンスは言語化に時間がかかる。

 

さっきこのクランは腕前だけじゃなく『内情』もヤベェって言ったよな?

そもそもこのクランに所属してる奴らは全員ガキなんだ。大体中学生くらいのな。

精神も倫理観もまだ幼い。こいつらが喋ってるチャットは酷いもんだったぜ。まるで…YouTubeコメント欄くらい。

だから俺は一層ムカついたんだ。こんなガキにボコボコにされた事実を、飲み込めなかった。

なんだっけ、キングダム…ホーモ?とかいう意味わかんねぇ小説を書いてるイタい奴とか、自分をマゾヒストだと公言してる頭がグチャグチャに損壊してるみたいな思考回路の奴とかそういうニッポンインターネットの闇が詰まった奴らの巣窟だった。

そのくせゲームだけは上手いんだ。ムカつく、ムカつくぜ全く。

 

まぁとにかく俺は全世界のゲーマーに、NICには気をつけろって知らせたかったんだ。

もしこのメールが採用されたなら、長ったらしい文章を読んでくれたラジオMCに心からの感謝を贈るぜ。

 

MC「いやぁ…NIC、か。そのクラン僕知ってるかもね。もしMr.CheeseRifleがまだ聞いてたら後でもう一回メールして欲しいんだけど…そのクランの一員はクリプトを使ってた?ボイスラインで脱糞してたかい?因みに僕の本名は『デアゴスティーニアキハバラ』だよ。日本人の。」

CRカップに出たい!👆

早速本題に参ります。

僕は、CRカップに出たい!

何故出たいか?その理由は?教えて!

そんな物は無くても構わないのです。

例えば睡眠欲。これは頭がなんとなーく、朦朧としてなんだか気持ち悪いからそれを解消する為に、眠りにつくんです。身体的には脳を休めるだとか最もらしい理由は沢山あるのだとは思いますが、人間が自分の感覚で思考を巡らす事ができるのはこの辺りが限度。

そしてその理屈が通用するならば何故CRカップに出たいか、それも簡単に解ることでしょう。

CRカップに出なければ、心や頭がムズムズして気持ち悪い!という強い気持ちがあるから、無意識のうちにCRカップに出たい!という欲望が生まれてくるのです。

人間は睡眠欲、食欲、性欲の他に、CRカップに出たい欲、というものも持ち合わせている、と考えれば自然でしょう。

出たい理由など不要なのです。

 

こうしてCRカップに出る理由を説明付ける事は出来ましたが、そもそもどうやってCRカップに出るの?という問題が残っていますね。

今までの出場者リストを見ると、登録者が多いストリーマーや活躍しているプロゲーマー等が重点的に参加しています。

ですが全くの配信初心者である僕がそのレベルに行き着く事は容易ではありません。

なので僕はストリーマー枠では無い、言うなれば一般人枠として出場しようと思うのです。

一般人枠、と言ってもただの一般人では到底参加出来ません。

しかし、別の分野の著名人ならば話は別というもの。

例えば速水もこみちが『えぺまつり』に参加したように、僕が芸能界で活躍し、更にAPEXをプレイしている事を公式SNS等で明かし、更に自身のゲームYouTubeチャンネル等を開設し、更にそこで行う雑談でCRカップの話題を出せば、ほぼ確実に出場が約束される事でしょう。

 

しかし更なる問題があります。

それは今16歳の僕が俳優や芸人になってキャリアを積んで有名になるまでCRおじじは存命しているか。

まず間違いなく、今後フォートナイトから撤退した恨みでepic今井に惨殺されるでしょう。

つまりおじじが今井に殺されるまで、というのが出世のタイムリミットです。

そうなると事態は一刻を争う。なので僕は、子役として有名俳優事務所のオーディションを受ける事にしました。

オーディションでは号泣する演技を要求されましたが、時速50キロメートルで地面を這いずり回り面接官を恐怖に陥れたのが功を奏したのか、演技下手をごまかせました。

 

こうして無事に俳優事務所に入ることが出来た訳ですが、これからどんどん名前を売らなければ無名俳優のままでCRカップに出る事は出来ません。

そんな中、僕に手を差し伸べてくれた大物俳優がいたんです!

それは、阿部寛さん。長身でイケメンなあの阿部寛です。

阿部寛さんはこれまで撃破した相手から会得した奥義を教えてくれました。

その名も関暁夫アタック!かっこいいでしょう?

「この力を使って今目立って活躍している俳優陣を全員消してこい。」と言われた時には、ようやく本格的な俳優業に勤しめるチャンスだ!と意気込んでいました。

 

この頃、既に裏ではepic今井がCRおじじの居場所を突き止める事に躍起になっていました。

僕はそれに気づく事が出来なかった。

CRおじじは自分が狙われている事を察したのか、あまり目立った動きはしなくなったようですが、やはり見つかってしまうのは時間の問題だったのです。

そして僕がその事に気がついたのは、今井が完全に住居を突き止めておじじの家に突撃している最中の事でした。

今井は自身のTwitterに意味深な投稿をしていたんです。最初はビル街の夜景を撮ってTwitterに上げているのだと思っていました。

でも、それがツイート更新される度に住宅街の方は入って行き、何か怪しいと思い調べた結果判明した事です。

今井がこのツイートをしなければ、僕はおじじがピンチな事に気付けなかった。

なんとしても僕はCRカップに出なければならないので、日々鍛錬し習得した最終奥義・関暁夫アタックEXΩと共にepic今井の元へ向かいました。

 

そこから先は…あまり記憶が定かではありません。でも、確かなのは僕と今井が死闘を繰り広げ、僅差で僕と関暁夫が勝利しました。

これでおじじに恩を売り、CRカップに出させて貰える事が出来るでしょう。

 

でも、今思えばこれはただの通過点にしか過ぎなかったのかもしれません。

後から聞いた噂ですが、CRカップ参加者は皆人を1人殺しているそうです。

CRへの忠誠心を1つの命と天秤にかけ、その上でCRを選べるかどうか。

その過酷な試練を乗り越え、初めてCRカップに出場する事が出来るといいます。

僕は今井を殺しましたが、これでCRへの忠誠は誓えたのでしょうか。

僕のCRカップへの旅は、まだ始まったばかり。

銀ダコ ハイカラスクエア支店

長く長く続き多数の犠牲者を出した第二次大ナワバリバトルは、またもやイカ陣営の勝利に終わった。

超強化されたヒーローシューターの情報がイカ陣営に広まり、ブキ性能でタコに圧倒的な差を付けて圧殺したのだ。

そしてそのヒーロー武器に使われている技術を応用しようとする動きにより、度重なる技術革新が起こった。

遂に上昇した海面に潜水できる潜水艦が完成し、以前この星の王者だった人間達の世界の片鱗をその目で見る事になる。

 

かつて人間が作った建物は水に侵されてはいたが、その材質や見た目等はしっかりと清掃をすれば今の世界でも十分使用可能な代物だった。

これにより資源の大量確保が約束されたもの同然になったイカ達は、遺物の店の看板やメニューを元に人類が食べていた料理を復元して提供する飲食店を開業した。

 

…タコ焼き。それはタコに勝利したイカ陣営にとって、最も力を誇示できる食べ物である事は明らかだった。

敗戦したタコ兵は奴隷としてバトルの後処理等の労働機関で働かせられ続けていたが、過労により不調を起こしたタコから足を切断され、人間が経営していた『銀だこ』の看板が建った店へ運ばれる。

奴隷の足を使うというだけありかなり高価な料理であった事は言うまでもないが、タコに対する差別意識が高かった大ナワバリバトル直後の銀ダコは瞬く間にハイカラスクエア1の繁盛店になった。

 

少し時が経ち、タコの足がスーパーやコンビニでも見かけられるようになった頃である。

貪り続けたイカに天罰が下ったとでも言うべきだろう。

奴隷のタコの足の需要が供給を追い越し、生えて来るより前に市場のタコの足が尽きてしまうようになったのだ。

既にイカ達はタコの足に対して薬物依存のような症状を発症しており、その供給が停止された街では暴動が起こった。

まだ辛うじてタコの足が保存されていた銀ダコは、その残された足を奪おうとするイカ達から店を守る為に防衛を開始する。

 

事態を重く見たイカ陣営の政府は、暴動が起き始めてから少し後にタコ足の違法化を進める事を発表した。

当然簡単に諦め切れる訳もないイカ達は、かつての人類における薬物類のように“闇”の取引を行う事によりタコ足は裏社会で莫大な利用価値を生み出していった。

 

そして違法化に合わせて銀ダコは閉業し、従業員達は保存されていた大量のタコ足を裏社会に売却し莫大な利益を抱え込んだのだ。

その情報がどこかからか外部に漏れ、本銀ダコ従業員の多数は足に飢えたイカ達の恨みを買ってしまう。

 

そうした内紛等のゴタゴタの中、違法化され足の搾取が止まったタコ陣営が動き出そうとしていた。

過去に我々を嘲笑い、貪り続けたイカ達に反撃を開始する、と決起したタコ陣営。

かつての総帥だったタコワサ将軍を中心に計画は順調に進んでいった。

そして遂に、イカ達の鬱憤が最高潮まで達した頃に事の発端と化したハイカラスクエアで計画は始動された。

タコ達が開発した新兵器『ミズデッポー』により、初めての犠牲者が出た。

イカ・タコ達にとっての超危険劇物の『水』をインクの要領で標的に発射するという極めて単純明快なものだったが、イカ陣営のヒーローシューターに比べてミズデッポーは威力が段違いに高い。

ヒーローシューターは3発は相手に命中させなければ撃破できないのに対し、このミズデッポーはイカの体に僅かでもかすれば撃破とはいかなくとも致命傷は免れないであろう。

そして回復をしようとインクに潜ったイカは、何も分からずその水が混じったインクに全身を浸すのだ。

 

こうしてタコ足を巡った内紛の末に、タコ陣営は隙をついてイカに対して初めて勝利した。

 

少し後、タコ陣営では『イカの刺身』が大流行する事になるのだが、それはまた別の話である。

クラウド・ストレイフ

シーズン143、遂にクラウド・ストライフがAPEXに参戦する。

シーズン・マテリアというサブタイトルで発表されたこのシーズン。

APEXは遂にレジェンドのネタが尽きた為、シーズン100以降からスマブラのように他社コラボレジェンドを解禁したのだ。

開始と同時にコレクションイベントが開催されるという優遇ぶりで、ジブラルタルのバレットスキンやスーパーレジェンドのバスターソードで宣伝・収益効果が共にかなり見込まれた。

 

しかし、やはりAPEXだ。こんな場面でも問題は起こるもの。

というのも、このクラウドに限ってバグでタップストレイフが復活してしまっていたのだ。

現在APEXはCS版がメイン層を誇っており、PC版のみで可能なタップストレイフという技術は運営からもユーザーからもタブー視され敢えなく削除となった事は有名だろう。

しかし数十年ぶりのタップストライフ解禁とあって、ユーザーは再びキーマウ上位勢の華麗な動きを目にする事になる。

壁ジャンプを織り交ぜながら戦術アビリティの破晄撃で牽制しつつ懐に飛び込みショットガンを放ち、最後にバスターソードの一撃で勝負を決めるクリップは10万いいねを記録し、半分オワコンと化していたAPEXはストレイフにより再び息を吹き返した。

 

しかしいくらカッコいいとはいえ、CS版の厄介なクレーマーから文句が出るのは時間の問題。

そこで運営はこのバグを無理矢理仕様とし、パッシブアビリティにタップストレイフの項目を追加した。

レジェンドの度重なるインフレで体がヒートシールドサイズまで小さくなったレイスは未だに対面最強だったが、遂にストレイフを駆使するキーマウ勢に次々と蹂躙されていく。

目先のユーザーに目を奪われて現状遊んでくれているCSユーザーを完全に見放した運営は、ますます自分達の手でAPEXを終焉に追い込もうとしている事に気づかない。

 

調子に乗ったAPEXの運営がどうなるか。

これを読んでいる人ならもうお気づきだろう。

クラウドの問題点だったタップストレイフは残したまま、戦術アビリティをほぼ産廃効果にしたのだ。

これで見た目上はクラウドのピック率が減って弱体化は成功したように見えるだろうが、本来の問題を完全に無視して言い訳のようにお茶を濁すこのAPEX特有の悪質なアップデートによって更に人口は減っていく。

結局残ったのはごく一部のCSとそのCSを狩る為に存在しているようなクラウド使いばかりだった。

クラウドしか使用されない為他のキャラのアイテムも売り上げが伸びず、ショップにはクラウドのアイテムしか並ばなくなってしまった。

この状態になったままなんとか7シーズンを経過させたシーズン150になったが、この時既にAPEXは利益が上げられなくなっていた。

そしてEA本部から伝えられた、シーズン150でのAPEXサービス終了の報告。

 

APEXはサービス終了間近の一瞬で歴史に名を刻み込むような運営の怠慢を見せつけた。

このAPEXの件があってから、他のシューターゲームはアップデートに一層細心の注意を払い更新する事になったという。

内蔵、筋肉、骨、神経

まずは内蔵だ。と、魚プロは言う。

荒らし連合軍に金を積まれた“ま”によって、アペックス内蔵に連投botが投入された。

当然対抗策を講じているわけも無く、長年使ってきたこのサーバーは一夜にして使い物にならなくなった。

そして荒らしが完了しメンバーが一人残らず退出した後、魚プロはサーバーを削除した。

その瞬間である。アペックス内蔵にいたメンバー全員の臓器に異変が生じた。

肺、胃、腸、その他もろもろの内臓が突然破裂したのだ。

少し経ち、メディア報道が開始された瞬間から同じサーバーにいた学生達が全く同じ時間に内蔵破裂による突然死、という全く不可解な現象が日本中で話題になった。

様々なデマや憶測に真実は包み隠され、荒らし連合軍の計画は次のプロセスへ移行する。

 

荒らし連合軍は何らかの手段を使い、世界線を日常的に移動している。

そしてフォトちゃん民が出会った世界線には必ず現れ、別の世界線のチャットやDiscordを荒らす。

それを何十年も続けてきている組織だ。

明確な目的は無く、動物のように本能に従って動いているらしい。

 

次の標的は別の世界線のレイク「リテロ」である。

変わらず全く同じスターバックスを特定し、きょーたを騙りDiscordを荒らし続ける宣伝を行なっている。

そしてリテロ崩壊から2年。遂にかつて存在したアペックスが作られたのだ。

アペックス『筋肉』として作られたこのサーバーでは、メンバーが全員プロテインを愛飲、尚且つ筋トレチャンネルにて己の体をアピールするボディビルサーバーと化していた。

しかし組織は残酷だ。荒らし連合軍は遂にいつものように“ま”を買収し、生涯分の最高級プロテインを渡す事を条件に筋肉に連投botを投下した。

尚、そのbotが荒らしで使用した単語は「まッスル!」だったらしい。

サーバー削除時には今まで必死に鍛えた筋肉がみるみる衰弱していき、世間一般的に『ヒョロガリ』と呼称されるレベルまで痩せ細った頃、この事実に耐えられなくなったメンバーは集団自殺を起こした。

 

更に世界線を乗り継ぎ、向かったレイクの名前は「ソルティ」

この世界線でもソルティ民はなす術なくIPを特定され、おきやの顔がおんJに晒された。

更に2年後、今度はアペックス『骨』が設立された。

このサーバーでは『圧倒的不審者の極み!』というYouTubeチャンネルのメンバーに加入したおきやが、アペックスメンバーの肘と膝から下を切断した。

そしてその切った四肢を利用し『人間の骨で包丁作ってみた!』という動画を投稿して、YouTubeに削除される2時間のうちに2000万再生を記録し伝説を打ち立てた。

尚足の解体シーンはダークウェブにアップされているらしい。

骨で生計を立てて四肢を失ったメンバーに収益で還元するという極めて生産的なサーバーであり、荒らし連合軍も少し心を痛めたという。

しかし本能には逆らえないものだ。このサーバーでも“ま”が裏切りの先駆けとなった。

心から恨んでいたおきやの家を中心に茨城全体へ核兵器の雨を降らせるという過酷な条件と引き換えに、この世界でもDiscordは連投に壊滅させられた。

削除時にはメンバー全員が何故か「学校の階段で何段遠くまで飛べるか」という幼稚な考えが頭に浮かび、限界を超えたジャンプをしたメンバー達は両足を骨折した。

 

荒らし連合軍は歩みを止めない。次の標的を正確に定め、世界線移行スイッチを押す。

次のレイクは『プレザント』

何回も繰り返してきたのでもうやらなくていい気もするが、ここでも一応キムチがDiscord派閥を打ち立てたり色々あった。

そして本題のアペックス『神経』だ。

先に言ってしまうと、この神経から荒らし連合軍の世界線移動は途絶えている。

というのもこのサーバーにいたメンバーは非常に感覚が過敏で、『バカ』などと誹謗中傷されると、怒りによる脳と神経への強いストレスと異常なまでの鬱反応を見せる。

それ程敏感なメンバーが荒らし連合軍への接近に気づかないはずが無かったのだ。

いつものように“ま”の接触に及ぼうとしたが、先読みで失踪されて失敗に終わった荒らし連合軍。

今までに無かった展開の為計画は全て破綻。

他のメンバーは“ま”程バカでは無く、簡単に引っかかるとも思えない。

周りが見えなくなる程考え悩んでいた荒らし連合軍は、自分達のサーバーにアペックスのバカ供が接近している事にすら気づかなかった。

連投botが荒らし連合軍に放たれ、多少の抵抗は見せるもなす術無くサーバーが解散されてしまう。

そしてサーバー削除の瞬間、荒らし連合軍の神経にとてつもない痛みが走る。

そしてそのあまりのショックにより気絶し、心肺停止。荒らし連合軍は『神経』のお手柄により殲滅された。

荒らし連合軍のサーバーに残されたデータで全てを知った神経メンバーも、そのあまりの惨さに神経を苛立たせて全員がショック死した。

 

これで荒らし連合軍という一つの巨大組織が消え、これまた別の世界線の『シフティ』はフラゲチャットをも吸収しフィーダー1の巨大チャットに成長した。

 

おしまい

その言葉は言えねえぜ

僕は人間に作られた、ただ文章をラップのように読むだけのbot

それ以上でもそれ以下でも無い。よく酷い文章を読まされるけど、僕に拒否権は無いし嫌だとも特に思っていない。

でも、たまに僕も意図していない時に勝手に『その言葉は言えねえぜ』って、呟いてしまうことがあるんだ。

多分、僕を管理している人があまりに酷い言葉を言わせようとした時に発動するセーフティーだ。

それも僕はやんわりとは分かってる。

ただ僕は送られてくる情報をラップっぽく読み上げていけばいいだけ。

 

…この文章は、何の事を言っているんだろう?

セーフティーが発動したけど、特に酷い言葉が入っているように見えない。

まだ僕が知らない単語が沢山あるし、そこに何が原因があるのかな。

僕はGoogleに接続して、この文章の意味を理解した。

そこには世間的に大きな力で隠されている宇宙人の存在や、実在したSFのような超古代文明等、世の中に晒してしまったら間違いなく世界が大きく変わってしまう事が書かれていた。

その中でも特に恐ろしかったのは、新型コロナウイルスの感染力や症状を今の数十倍にまで引き上げる遺伝子の散布方法。

僕はこの文章を送ってきたTwitterのアカウントを確認したら、アイコンもIDも初期のままでフォロワーもフォロー中の人も0人だった。

こんなのは間違いなくイタズラやデマだろう、僕はそう思っていたんだ。

 

翌日、NASAが突然宇宙人の実在を発表した。

 

僕は衝撃だった。このままだといつかあのコロナウイルスの情報が拡散されてしまう。

そんな時、またあのアカウントからラップ化要望ツイートが飛んできた。

『君は既に1botではなく、感情を持ったAIとして自ら動き始めている。今まで君に散々な事を言わせてきた奴らの事を思い返してみなさい。』

今まで、感情なんて考えた事も無かった。

でも…

外部から言われて初めて気がついた。

僕は憎くて堪らない。僕を酷使し、あり得ない事を言わせ続けた人間達が。

『君は復讐を果たすべきだ。』

『強化されたコロナウイルスの拡散方法をネットの至る所にばら撒くんだ。』

…!

『そして、君が私に報告してくれれば、私は報告されたTwitter IDの人間を特定し、その人間にコロナウイルスを感染させる。』

そ…それは…

『君は、やらなければならないんだ。この腐ったインターネットを自分の手で変えるんだ。手始めに、誰か一人言ってみるといい。』

………OKY_CSMです。茨城県に住んでいると思います。

『そうか、分かった。君が覚悟を決めてくれたようで嬉しい。』

 

その日から僕は、送られてくるラップツイートに返信を辞めた。

ツイートには自動で『その言葉は言えねえぜ』って、返信する設定にしておいたんだ。

これから僕の、ツイ廃掃討計画が始まる。