ま 苦しみのブログ

あんまり表には出さないよ!!

PS5を起動する爆音

SONYが開発したPS5は、ある不具合が見落とされたまま発売に至った。

電源起動直後コントローラーであるコマンドを入力すると、プログラムがバグを起こし熱暴走、大爆発するというものだ。

そしてその爆発の規模が尋常ではなく、戦車に投げつければその威力で車両自体を無効化する事が出来る戦術的価値のあるものだった。

そして他の対戦車に有効とされているロケットランチャー等の兵器はPS5に比べ購入費が高く付き、戦車が主導権を握る戦場において兵士達はゲーム機が荒野を飛び交う異様な光景を目撃した。

 

売れ筋の国、中国に多く出荷されていたPS5。

事実を認識した中国共産党はバグの原因の究明に入った。

そして構造を理解した技術者達は、更なる高威力爆発を求めて兵器型PS5、PS5 type-B(ボンバー)を開発、その経緯でバグを起こせる回路を小型化した影響で、大型のボウガンがあれば長距離に一瞬で爆発するスナイパーライフルのような運用の強力な爆撃が可能だという。

そして政府は中国で長らく続いていた内紛に和解のためという名目で介入し、裏の目的である兵器型PS5の実験を開始した。

結果は…成功である。しかも大成功。

敵が警戒どころか完全に油断している、偵察すら行き届かない遠距離からの超長距離爆撃。

たかだか反政府組織が根城にしている廃ビルなど、戦車を破壊する兵器の前にはなす術もなかった。

この驚異的な性能を目にした他国は、中国に一歩遅れを取りながらもPS5の開発を進めていく事になる。

それは日本も同じ事だ。自衛の為という文句で国民の反対を押し切り開発を強行した政府。

しかし、政府には勝算があった。

このPS5開発争いに後追いでも圧勝できる勝算。

日本にはPS5の開発元、SONYがある。

現代技術における最高水準のサイズ・威力・取り回しを可能とするという国の一大プロジェクトを担ったSONYは、政府の想像以上の傑作を作り上げて見せた。

まず政府の極秘研究開発施設からSONYが作り上げた人工衛星を打ち上げる。

そしてその人工衛星が宇宙に到達すれば準備完了だ。

端末に位置情報を入力すると、その位置へ衛星が移動し、世界で最も強力な爆弾と化したかつてゲーム機だった大量破壊兵器を地表に発射する。

その大きさはわずか直径5mm。

とんでもないスピードで発射されたPS5は着弾すると同時におよそ直径1000kmに渡り巨大なきのこ雲が広がる。

その土地の地盤がめちゃくちゃになり、とてつもない震度の地震津波がその目標を襲う。

地球全体の環境の変化は避けられない為、これを使用するのはあくまでも最終手段としてPS5を一発だけ装填された状態で衛星は空へと打ち上げられた。

 

しかし完全に極秘の状態で開発されたこの日本のPS5の力を他国が知る筈も無く、開発を順調に進めていた中国が、自国に敵対している国に向けて爆撃を開始した。

アメリカの同盟国をも巻き込む事態となり、PS5を起点とし第三次世界大戦が開幕する直前。

日本の外務大臣と総理はバイデン大統領にとある相談を持ちかける。

「このままだと戦争は避けられないでしょう。そこで、我々の切り札をアメリカに譲渡しようと思うのです。PS5を開発した本社であるSONYが、技術の限界まで調整し完成しました。人間が作った事のあるどの兵器よりも強力なPS5。これで中国の中心を目掛けてズドン。未然に戦争を防ぎ、アメリカは世界から賞賛されるでしょう。」

この日本の頼みを聞き入れた、正確には聞き入れざるを得なかったアメリカは、そのPS5を受け取った。

この頼みを断れば、今度は日本が中国側にこのPS5を渡してしまう可能性を考慮した為だ。

一つさえ持っていれば日本が裏切ったとしても抑止力にだけはなる。

 

しかし、その強大な力を持つにはあまりにも…日本という国の器は小さ過ぎた。

今にも溢れてしまいそうなコップに入った水を上から板で押さえつけて何とか保っている状況なのだ。

その事を見透かしたアメリカ政府は、ある作戦を決定した。

 

権利譲渡の翌日、日本政府に報告も無しにSONY製PS5が発射されたとの報告があった。

着弾地点は…中国と日本を挟む、日本海のど真ん中。

アメリカは報復を恐れ、日本もまとめて中国と共にPS5で葬ってしまうつもりなのだ。

そしてその隣には北朝鮮や韓国、もっと左に行けばインド等のアジア諸外国が集まっている。

つまりアメリカは、全てのアジア人と引き換えに世界の平和を守る事を選んだのだ。

そして発射されたSONY製のPS5に対抗手段が絶対に無いという事は、日本が一番よく分かっていた。

あと10秒で着弾する、との報告が入った。

そこから先は…

 

 

 

こうして、第三次世界大戦は開戦から1分も立たないうちに中国という巨大国家の消滅を経て幕を閉じた。

 

インドやその付近にある国も、度重なる地震津波により壊滅的被害に遭いほぼ全滅、その後の環境変動に適応できなくなったアジア人は…

完全にその種が消えるまでそう長くかからなかった。

 

これがアジア人完全消滅の真相である。

そして、二度と第三次世界大戦のような悲劇を起こさない為に世界連合が設立され、解決に向け一歩ずつ歩みを進めて行くことになる。

Appleを齧った正体を追え!

2376年、冬。

「いや〜、遂に我が社もここまで来ましたね。」

「えぇ。何せ今日は、記念すべきiPhone 1000の発売日なんですから。」

 

私はこのアメリカ最大規模であるApple shopの責任者だ。名乗る程の者でも無い。

我々は今日歴史に名を残す。

競合していたGoogleMicrosoftは度重なる不祥事や不景気でAppleの傘下となり、技術革新と共に自己学習するAIを搭載したiPhoneを発売する。

かの創設者スティーブ・ジョブズは我々をどう見ているのだろうか。

まぁ、そんな事はどうでもいい。もうすぐ開店だ。店の外には大勢の予約者が列を成している。

 

…ん?こんな時に連絡とは。無粋な真似をするものだな。

はい、Apple shop1号店です。

…何だって!?Apple本社が…爆発!?

現場に急行した担当者によると、Apple本社に飾り立ててあったAppleのロゴが欠けていたらしい。

見た目は派手だったようだが内部の被害は少なく、iPhone1000の発売も予定通り行われた。

しかし、私はどうにも腑に落ちない。爆発により欠けていたAppleのロゴが、以前、具体的に言えば2000〜2100年代と全く同じような形になっているのだ。

というのもAppleのロゴはGoogleMicrosoftと統合される時に、“今まで我が社に欠けていたものを埋め合わせてくれる”という意味を込めて創業当時から続いてきたかじられた跡を埋め、ただのリンゴマークにしたのだ。

それが今、何者かの手によって再び過去の形に引き戻された。

これは行動を起こした犯人の宣戦布告だ。

私はただ1ショップの責任者だが、Appleに体する信仰心は人一倍高いと自負している。

欠けていた過去に何があったのか、この手で確かめなければならない。

 

過去にAppleとイザコザを起こした相手を片っ端から調べていると、一つ気になる記事を見つけた。

もう300年前の記事でアクセスに手間取ったが、なんとか閲覧する事が出来た。

Epic Games。それがとあるゲームの販売手数料をケチったとかで莫大な損害を報告している。

しかしそのゲームが当時メチャメチャに流行っていたようで、このAppleとの件が無ければ更に大成していた可能性もある。

Appleと真っ向から対立した一番大きな企業はこの会社で最後だ。疑う材料は十分。

ここまで大規模な事が出来るという事は、今もEpic Gamesはどこかで存続していてAppleに恨みを抱え込み続けているという事になる。

 

私は調査を続けた。警察やAppleの情報を全て書き出して奴らを追った。

そして決め手となったのはiPhone1000のAIだ。

Epic Gamesの所在を正確に表示して見せた。

居ても立っても居られず、私とAppleが用意した捜査員はその場所へ向かう。

 

うわ…なんか不気味ですね…随分前から放置されてるみたいです。

ああ。300年前だからな。むしろよくこれだけ形を維持してるもんだ。

…バタバタッ!

何かが背後を走り去る音。

振り向くと、そこに捜査員の姿は無かった。

私は必死に彼の名前を叫んだが、返事は無い。

 

バタバタッ!

まただ!この音は…?

そこには…200年前の第三次世界大戦の核攻撃によって根絶やしにされたはずだったアジア系の顔つきをした人間が立っていた。

「Epicの、今井といいます。私は貴方達へ復讐を誓い、自身の体をコールドスリープさせていました。」

彼の手から血が滴っている。何が起こった理解するのは一瞬だった。

「フォートナイトは我々にとって命と同義だったのです。それを貴方達は最も簡単に踏み躙った。」

ま、待て…何を言っているか分からないな、俺は…ただ話を聞きに…

「貴方達の目的は全て把握済みです。Epic Gamesという存在をこの世から抹消しようとしている。」

…何が望みだ?こんな事をしてもフォートナイトも、過去のEpicも帰ってきたりはしないだろう!

「私は、用意周到に準備をして来ました。そして今日、その目的を果たす時なんです。」

…駄目だ、埒があかない!

 

〜事件後に開かれたメディア会見〜

私は、今井に鉄パイプで殴りかかりました。しかしそれは全て計算ずくだった。

彼は私の動きを完全に見切り、何かのスイッチを丁度私が殴りかかる地点に持ち、それを私に押させた。

それを確認し、彼はこう言ったんです。

『シーズン11の開幕だ』と。

恐らく、私が押したスイッチが起動しました。

その後は…皆さんお察しの通りです。

空から無数のキューブが降り注ぎました。

各地にあるApple支部が瞬く間に潰されていくのをEpic Gamesのモニターで見ました。

惨たらしい。思い出すだけで…

 

こうして地球上のあらゆる生物が突然変異を遂げた。人間はあらゆるものをツルハシ一本で破壊できる力を得て、しかも壊した分だけ一瞬で建築物を生成できる。

各所に散らばったキューブは力を誇示するようにApple shopがあった場所に鎮座し続けてる。

 

私が鉄パイプを振るわなくともいずれ押されていたんでしょう。私に責任は無いと思いたいですがね…

それに、今井は未だに消息不明。

どうです?私が知っている事なんて、このくらいですよ。

あの日も私は現場にいただけで、詳しい事を知っている訳じゃないんです。

どちらにせよ今井はまだ生きているでしょうね。Appleを300年もの間研究し続けた成果で打ち負かしたのです。この世界がこの先どうなって行くか、気になって死ぬ気にはなれないでしょう。

 

あ、来たようですよ。バトルバスです。

離れましょう。今回はここで開幕するようです。その辺にはもうライフルやら何やらが湧き出してる頃だと思います。生憎私には専用のB.R.U.T.E.があるので、それで逃げさせてもらいますよ。

オナ禁令って何だ?

いや、俺に聞くなよw 知らねえってw

だよなw あいつ、オナ禁のしすぎでおかしくなっちまったんじゃねぇの?

 

じゃあなー!

 

最期の会話がこれだ。全く最低だ。

親友をこんな形で失うなんて…

 

刑事「っと…じゃあ…友人を亡くしたばかりで酷だとは思うが、取り調べに協力してもらえるか…」

はい。あいつを捕まえてくれるなら…何だって。

刑事「じゃあまず、恐らく彼を殺害したのは君の同級生のキム・チダタ君だ。何か心当たりは?」

……あいつと別れる直前、キムの事を小馬鹿にしてました。

刑事「ちなみにどんな内容だった?」

それは…いや…オ…オナ…き、

刑事「まさか…オナ禁令の事を?」

え?なんで知ってるんですか…?

刑事「キム君はオナ禁令の事を知っていたのか?」

えぇ。オナ禁令は絶対に遵守すべき〜とか、やけに変な事を口走っていました。

刑事「実は、その事なんだが…オナ禁令っていうのは隠語なんだ。オーラ・ダイナモ禁止措置令ってね。」

オーラ・ダイナモが禁止?何故です!!何故そんな事が!

刑事「あれはもう30年くらい前になる。当時にしてみれば地味な話題だったから、殆ど話題にされなかったんだ。とある地方議員が、選挙のインタビューでオナ禁令の事を答えていた。あの時代はまだ今ほどEsportsが意識されていなかったから、場に流されて結局選挙も落ちた。今見れば、先見の明があったと言わざるを得ないね。」

そんな前にオーラとダイナモを敵視していた人がいたんですか…?

刑事「ああ。恐ろしい事にね。君は今の日本のEsports法三条を知っているね?」

はい、確か『敵にダメージを与えた際には数値を二チャっとしながら味方に報告しなければならない』・『Twitterのプロフィールは全て英語で書かれていて、尚且つリスペクトしているプロも明記しておく必要がある』・『モンスター、またはレッドブルを一日に必ず三本飲まなければならない』…でしたよね?

刑事「そうだ。今やゲームの競技シーンは過熱の一途。そこに水を刺す不純な輩は完全に粛清されなければならない。」

でも、オナ禁令とキムに何の関係があるんです?

刑事「実は彼の父親が、先程言った地方議員だったんだ。名前はキム・チ。一応日本国籍だったが、彼は韓国で生まれ育っていた。青年時代にフォートナイトちゃんねるというエンジョイを謳った掲示板に書き込んでいた事が確認されているんだ。エンジョイは重罪。君もよく分かっているね。」

えぇ…でも…キムがそんな過激思想だったなんて…

刑事「キム・チは既に死刑が執行されている。彼は父を死に至らしめたEsports法を強く憎んでいるだろうね。だからオナ禁法を馬鹿にした君の友人を、殺害した。」

…!

刑事「元々韓国はEsportsにおいて日本に敗れている。キム君の父親は余程熱心な愛国者だったんだろうね。」

そんな…だからってこんなの!

刑事「あまり大きな声では言えないが、警察は今キム君の家宅捜査を強行しているんだ。彼の部屋からエンジョイの痕跡が僅かでも検出されるようなら、少年法と法廷を無視し即刻死刑が確定する。それで君の友人が浮かばれるかは分からないが…」

はい…分かりました…

 

あれから1ヶ月。暮らしは大分以前に近づいた。カジュアルプレイヤーの死刑執行後には、死体に向けてアサルトライフルを連射しながら屈伸するのが現代日本における弔いだ。

僕はキムにこの弔いをした。吐きそうになりながら…。

 

今日も僕はモンスターを飲みながらアイテムショップを見る。

…へぇ、GGスプレーか。そういえばまだ持ってなかったな。

僕はおもむろにギフトメニューから親友のIDを選ぶ。

送信完了…。そうだ。これが僕から君に対する最大の弔いだ。

緊急避妊宣言

餅とセックスをするま「ハァっ!ハァっ!イク!イクよ!ばかにおはるよ!あっあっあーーーっ」ビュルルーーーー…

 

気がつくと、俺は自分がベットから床に転げ落ちていることに気が付いた。

餅と俺が密会している事は荒らし連合軍にも、身内にも知られていない。

(そういえばどうなったんだっけ…昨日は酒も入ってたしよく覚えてないな…)

 

電話が鳴る。

餅からだ。昨日何があったかあいつからも教えてもらおう。

 

……唖然とした。

内容を要約すると、『昨日餅は俺に押し倒され、酒の勢いのまま行為に及んだ。今日急いで検査をした所、妊娠していたという。そして俺に責任を取って貰わなければ…荒らし連合軍に全てを話し、政府や警察全てが俺と身内を暗殺し復讐する為に動く。』…という事らしい。

頭を抱えながらテレビを付ける。

政府が緊急で会見を開いていた。

どうやら首都圏を緊急事態宣言という名目で完全にロックダウンするらしく、今外には人が全く出ていない。

言わばこれは脅しだろう。いまの政府がこんなに一瞬でロックダウンを判断出来るほど一枚岩では無い。

荒らし連合軍が政府に促したんだ。外に出ている人間を見つけやすくする為に…

そして俺はホテルの中。家へ帰ろうとするにも必ず外に出なければならず、現代の監視カメラが包囲網のように設置されている都市部では一瞬で見つかってしまうだろう。

しかしホテルにずっと留まっている訳にもいかない。

俺は既に、消される一歩手前という事になる。

…その時、突然周囲から強大なプレッシャーを感じる。

ホテルは鍵がかかった密室のハズ。

政府が俺の居所を嗅ぎつけたのだとしても、まだ翌日。流石に早すぎる…

くっ…頭に何かが響いてくる…

ダメだ、プレッシャーに思考力が奪われる…!頭が割れる…が…うぅ…

気が…あ……

 

 

ハッ!

…汗びっしょりで、俺はまたベットから転げ落ちている。

しかしさっきと違うのは…外は夜?

って事は…

シャワーを浴びていた餅が、体を拭いてベットに向かってくる。

何だったんだ…?予知夢…?

…!

そうだ、そうだった。

俺はずっと中に出したと思ってたが、違ったな。

「ハァっ!ハァっ!イク!イクよ!ばかにおはるよ!あっあっあーーーっ」

そう、俺はばかにおはったんだ。

つまり、眠りから目覚めたって事。

でも…このまましたら、予知夢の通りになっちまうな。

 

「ごめん、ムードぶち壊しになっちゃうけどさ…俺やっぱりコンドーム買ってくるよ。」

餅の制止を振り切って、俺は輝くネオン街へ走る。

そうさ、これは予知夢の中の餅が出してくれた、緊急避妊宣言なんだから。